アルフリートの物語5
アルフリートは自分の部屋にもどると2通の手紙を書き出した。
一通はクロードへもう一通はレオナルドに、
自分は皇都の学園を受験すること。
その為暫く離ればなれになることなど、とりあえず皇都に行くのでホード夫婦や老婆の事を頼みたいと書いた。
手紙に公爵家の封蝋をしたあと家令を呼び出した。
「この手紙を出しといてくれないか。僕は暫く皇都に
いくから父上と母上とやんちゃな双子の
弟妹の事をを頼むよ。」
長年仕えている老齢の家令は、
「アルフリート様の留守中はお任せ下さい。」
とお辞儀をしながら手紙を受け取った。
翌日アルフリートは皇都までの旅支度を済ませ食事の席で
父上、母上、双子の弟妹に明日皇都に向かう事を告げた。
父上が話たのか、さほど母上は驚かなかったが
身体に気をつけて何時でも帰ってきて良いからと
少し寂しそうな表情で言った。
ただ弟妹は母上の言葉が終わる直後に泣き出して僕に
しがみついて大変だった。
何とか休みの日には帰って来るからとなだめて食事を
再開できた。
翌日朝早く僕は自分の愛馬と公爵家の門で家族、
使用人達に見送られながらゆっくりとクロと皇都に向けて
旅だって行った。
皇都までは公爵領から馬の脚で3日の距離だ。
クロに跨がり公爵領を進んでいると領民達が気づいて
膝をつこうとするのを手で制止しなが進んで行く。
公爵領の城壁で門番に通行書を渡し門外に出て街道を暫く
歩いていると後ろから馬蹄を響かせながら二頭の馬に乗った
クロードとレオナルドが追いついてきた。
レオナルドとクロードは横に馬を並べ
「間に合った!」
「手紙を見て急いで来たけどギリギリだった!」
笑いなが言ってきた。
アルフリートは二人が別れの挨拶をしに来たと思い
「手紙で簡単に説明したけど、直接二人に話づらくて
すまなかった。向こうで落ち着いたら手紙で詳しく説明する
つもりだったんだ。わざわざ見送りに来てくれてありがとう。」
「・・・・・・・!」
「何いってんだ❗️俺達も皇都の学園を受験しに着いていくに
決まってんだろ!」
「それにアルフリートを一人で行かす分けないでしょうに。」
クロードとレオナルドは共にアルフリートの手紙を読んだ後
直ぐ自分達の父親に相談し許可を貰ってアルフリートを追いかけてきたのだった。
アルフリートは知らなかったが当然の事である。
3人とも高位貴族の嫡子である、
影の護衛が何時もついていたことを。
クロードとレオナルドは父親から影の護衛の事を聞いていたが
アルフリートは聞かされていなかった。
いずれ公爵領の総主となるアルフリートに今はまだ
闇の部分を知らせないようにとのルーカスの配慮であった。
そんな事は知らないアルフリートは素直に喜んだ。
皇都には公爵家の別邸があるが一度しか行った事がない。
あまり良く知らない土地での生活、不安な事をあげればきりがない、だがその気持ちを押さえて決めた事だったが、
二人の言葉を聞き不安が吹き飛ぶほどうれしい気持ちになった。
旅は順調に進み3日後皇都にようやく到着した。
門番に通行書を提示してゆっくり馬をひきながら皇都に入ると公爵領ほどの賑わいがないがそれなりの賑わいだった。