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オリオン皇国物語  作者: 雪キツネ
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アルフリートの物語4

翌日、父ルーカスの執務室前にアルフリートはいた。

ドアをノックすると中から「入りなさい。」との言葉を聞き

意を決して入室する。

アルフリートはゆっくりと執務机で作業をしている父の前まで歩いていき立ち止まり心を落ち着け口を開いた。


「父上、お話があります。」


父はアルフリートの声に多少の違和感を感じながら作業を止めて顔をあげアルフリートを見るといつになく真剣な表情に驚かされる。

今日のアルフリートは何時もと違うと。


自分の息子は幼いながら親の欲目で見なくても回りの使用人、領民、などから慕われ、剣術、魔法、勉強、に誰からも言われなくても努力を惜しまない人格を分かっていたつもりだが、目の前にいる息子の顔が成人している様に見える。

何があったのかわからないが、息子の成長を嬉しく思って見ているとアルフリートがゆっくりと口を開いた。


「父上、私はもうすぐ12才になります。

そして少し前まで公爵領の学園の入学試験を受けるつもりでした。

少し前まではです・・・。」


そぅ言うとアルフリートは少しうつむき黙ってしまった。

暫く沈黙いたままの状態が続いたがルーカスも何も言わずただ

アルフリートの口から言葉が出るのを待っていた。

ようやくうつむいた顔を上げた。


「父上、私は皇都の学園を受験したいと思っています。」


「色々な事を考えて悩んで・・・誰かに相談する事

も考えました。

でも、私は・・・・・・自分だけの人生では無いのは分かって

いるのですが、成人するまでで構いません。私のワガママを

許して貰えないでしょうか?。」

アルフリートは真っ直ぐルーカスの目を見て懇願した。


父ルーカスはアルフリートを見ながら微笑んだ。


「アルフリート初めてだね。ワガママを言ったことは。

ずいぶん前から何かを悩んでる様にみえたけど、アルフリートなら自分で考え、悩みながらでも最善を尽くそうと幼い頃から頑張っていたのを知ってたから口を出さなかった。」


ルーカスはアルフリートの様子か少しおかしいことは分かっていたが何も言わず見守り、相談してきたら力を貸すつもりでいた。


「アルフリートの中ではもう皇都の学園を受験することは決めてるんだろ。

自分の可能性を広げるため、そして自分の見識を深める、

そして必ず南部領に戻ってくると約束出来るかい。

約束出来るなら父として、また公爵としてアルフリートに期待し喜んで送りだすよ。」


「ありがとうございます。」


アルフリートはルーカスの言葉を聞き、深く頭を下げた。




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