アルフリートの物語2
天秤は傾ているがまだ決心がつかないアルフリートは
サロンルームを出て自分の部屋に戻り2通の手紙をかきはじめた。
南部公爵領にある2侯爵の
シルバー侯爵家子息シルバー・フォン・レオナルド、
レクサス侯爵家子息レクサス・フォン・クロード
5日後、何時もの場所
あまりにも短い文だが2人ならそれだけで通じる。
レオナルド、クロードの2人は幼い頃から良く
公爵領にきては
3人で公爵領内を遊んだ幼なじみだから。
5日後、公爵領外にある森の中、
古ぼけた家のなかには6人の姿があった。
アルフリート、シルバー、クロードの3人
そして家の持ち主ホード夫婦と老婆の3人アルフリートたちは幼い頃からこの森で剣技や魔法の練習をしていた。
勿論護衛がいつもついていたが当時のアルフリート達は
やんちゃで何時も護衛を撒いて困らせて楽しんでいた。
初めてホード夫婦と会ったのは、何時もの様に護衛を撒いて森で剣や魔法の練習をしていたとき、森の中で偶然出合いお昼ご馳走になってからだ。
夫婦には子供好きだが子供がいなく母と3人で暮らしているので久しぶりに会った子供にご馳走をしただけだったが何故か度々遊びに来る3人の子供をいつの間にか
自分の子供の様に歓迎した。
楽しく遊びご飯を食べる3人を見ている内にホード夫婦と老婆は自分達の知識、技術を3人が継承して欲しいと思った。
ホード夫婦の夫は剣技において並ぶ者なし
と言われた剣聖、
妻は魔法使いの冒険者として名を馳せていた。
老婆は昔宮廷薬師として隣国にいた。
何故これほどの者達が森の中で隠居者の生活をしているのかは実は夫婦と老婆が待ち望んでいた子供が
産まれてすぐ亡くし
生き甲斐を無くした3人は産まれ故郷を離れ旅をする内に
この森で偶然見つけた古ぼけた家に住み着いていた。
3人に自分達の知識、技術を教えていると見事に
3人の得意分野が分かれていた。
レオナルドは剣技を瞬く間に吸収していき、
クロードも同じく魔法を、アルフリートは薬師としての知識を習得した。
得意分野が突出して教えることが無くなるほど吸収していった。
勿論剣技、魔法、薬学を3人とも一流と言われるほど吸収していった。
6人がで何時もの様に食事をしている時アルフリートが
口を開き話しかけた。
「実は進路について悩んでいる。
このまま公爵領の学園に行くか皇国の学園に行くか、
このまま公爵領の学園で2人と師匠達と何時までも
一緒に居たいと思いと皇国の学園で更なる薬学の知識を
身につけ将来公爵領の役にたてたい思いが・・・。」
アルフリートはその後の言葉が出てこづ暫く沈黙した。