かすりもしなかった
九回裏二死ランナー満塁、一発出れば逆転サヨナラ。俺(南河)は、代打としてバッターボックスに立った。
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初球、内角高めにストレート、ストライク。手を出していてもゴロだっただろう。
二球目、ストレート外に外れてボール。二球連続ストレートだった。手からすっぽ抜けたか。
三球目、低めに落ちるフォークを振って空振り。落差が大きく、バットにかすりもしなかった。これでツーストライク。
四球目、外角低めのスライダーを見逃してボール。三振製造機でもない限り、こんなあからさまな球は振らない。
五球目、高めストレートを打ってファウル。ここで決めたかった。
六球目、ストレート高めに外れてボール。また抜けたか、それとも釣り玉か。これでフルカウント。
そして勝負の七球目、ど真ん中にストレートという絶好球。
----------(ここから分岐)----------
俺は、打ち気にはやってしまったのが災いし、見事に空振り三振。見せ所だったために、観客のため息がドーム全体から聞こえた。
「帰れ、南河!」 そんな罵声も飛び交う。
そして翌日。
俺は、監督に二軍行きを命じられていた。
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