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中二病で神話の物語  作者: Khyx
1/2

プロローグ



???

「お前を立派な戦士にしてやろう」



目の前で変な格好した女が俺に言う。




―――お前を神の世界へ誘いざなおう。



(外人……?)




西洋式の鎧と、腰にはこれまた絵に描いたような西洋式の剣を帯びている。




「ごめん、何言っているか全然解らない」



???

「日本語がわからんのか……?」




「いや、えっと、その…そういう問題じゃなくて……」




いきなり目の前に現れたコスプレ女に、そんなこと言われても訳が解らん。


ただの痛い奴にしか見えない。



特にこういう輩は昔の過去を思い出してしまうので、出来れば早々と立ち去りたい




「兎に角、学校に急ぐんで、失礼します」




俺は立ち上がり、彼女をやり過ごす。


右から通り抜け様とした瞬間、俺は信じられない光景を目の当たりにする。




―――死体。




血みどろで横になって倒れている。




「た、大変だ!? 救急車!?」




???

「心配は無用だ」




俺の後ろで彼女は何処か冷めた様に言い放つ。




「何言ってんだあんた!? 人が倒れてるんだぞ!?」




???

「そいつをよく見ろ」




彼女に促され俺はゆっくりと死体の顔を覗いた。






「―――何だよ、これ……」




其処には俺の体が横に倒れてスプラッタ状態になっていた。




















4月6日、俺こと小川命おがわみことは―――――――










―――――――死んだ



「どうなっているんだ…?」



頭の計算処理が追いつかない。




???

「あ~ちょっといいか?」




さっきの女性が俺に話しかける。




???

「この時代にもまだ、お前みたいな戦士がいるとは、思わなかったな」




その女はこっちに近づく。




「ちょ、ちょっと待て! お前は一体誰なんだ!?」




???

「むっ、これは失礼したな」




女は足を止め、少し咳払いした。




???

「私の名はジークルーネ。お前の現世の行いをすべて見ていた」



「ど、どう言う事だ……?」


俺は動揺しつつも話を促した





ジークルーネ

「お前は現世で何時起きるかわからない神々の戦争ラグナロクに備え、心身ともに鍛えていた。だが、まだ足りない」






そういうと俺に指をぴんっと突きつけ、話を続ける。






ジークルーネ

『お前は力も知恵も何も無いが、その志と忠義は認める。よって、特別に聖ヴァルハラ学園に入学させよう』




そう言うと、彼女は右手を俺の頭の上に翳し、何か呪文のようなものを唱え始めた。


初めて聞く言葉ばかりで、何を言っているのかさっぱり理解できないが、瞬間、俺の周りを円陣が囲み、見た事も無い様な文字が浮かび上がると、それらはまるで桜吹雪の様に目の前を舞い始める。


(詩的表現)




現実






「うげぇえええええ!! 気持ち悪い!」




ジークルーネ

「コラ! 私のマテリアルの中で吐こうとするな!」




もうね、厚着した状態で真夏のジェットコースターに乗った気分だった。






―――――――――――――――――――










ジークルーネ

「……着いたぞ」






「おげええええええぇぇ…」




俺は気持ち悪くて地面に突っ伏していた




ジークルーネ「全くだらしない奴だ」




「ごごっでどごでずが…?」(此処って何処ですか?)






ジークルーネ「有無、此処は人間界で死んだ者の魂をより強く輝かす学び舎、聖ヴァルハラ学園だ!」




命「……」




ジークルーネ「ふっ。驚いて声も出ないか。まぁ、そうだろうな。お前の憧れていた学び舎が、今こうして目の前に在るのだからな」




何か言っているようだが、今は遠いところを見て吐き気を抑えないと……




ジークルーネ「―――っとまぁ、軽く説明したが、此処まで何か質問はあるか?」




命「酔い止めはありませんか……?」




ジークルーネ

「貴様、人の話…いや、神の話しを聞いてなかったのか?」




「は……?」




ジークルーネ

「私を虚仮にするとは良い度胸だ―――」




命「ちょっ、ちょちょっ、ちょっと待ってくれ! あんたが…神…?」




ジークルーネ「貴様。人間如きの分際で、我をあんた呼ばわりだと?」




命「いやいや、それ以前に馬鹿げている! 考えてもみろよ! いきなり俺の前に現れて、自分の死体を見た後に、吐き気を催す気持ち悪さに襲われて、あまつさえあんたが神なんて言われも、いったい誰が信じるんだよ! 一体此処は何処で、今何が起こっているんだ!」




ジークルーネ「……いいだろう。仕置きもかねて、貴様に少し教えてやろう」




すると彼女は腰に帯びている、短剣で俺の心臓を貫いた。








――――――――――――――――――――――












ゴーンゴーン


薄っすらと鐘の音が聞こえる。




命「……!」ッガバ!




命「此処は何処だ?」




其処には微かな薬品の匂いと、白いベッドが並んでいた




命「病院……か?」




ジークルーネ「目覚めた様だな」




命「わッ!!」




俺は驚き、後ろに飛び退きベッドから落ちた




ジークルーネ「どうだ? もう此処が人間世界ではない事を理解したか?」




命「なにがあったんだ?」




バサっ!




命「うわっ!」




彼女は俺に布みたいのを放り投げた




命「これは……?」




俺はその布を広げた




命「……!」




それは俺のさっきまで着ていた服が血塗れに成っていた




ジークルーネ「お前は私に胸を一突きされ死んだ」




俺は少し頭を両手で抱え、状況の整理と理解に努めていた




ジークルーネ「理解したか?」




命「あぁ、理解せざるを得ないだろ……。死んでも直ぐに生き返るなんて……」




ジークルーネ「死んだ自覚を持つのは良いが、直ぐには復活しない」




彼女は俺のベッドの向かい側の窓のカーテンを開けた。



命「夕方……?」


おかしい。こっちの世界に来たときは、まだ外は明るく、朝方だったはず………




ジークルーネ「死んでから復活するには日没の鐘が鳴らないとないと復活しない」




命「つまり俺は夕方の日暮れ時になるまでずっと死んでいたのか?」




ジークルーネ「そう言う事に成るな」




命「そして貴方は……」




ジークルーネ「戦女神、ジークルーネだ」




命「北欧神話の?」




ジークルーネ

「何を言っているのかは知らんが、お前の行いをこの神界からずっと見ていた」




命「……ずっと?」




嫌な予感が襲った。



ジークルーネ「あぁ、ずっと」




ジークルーネ「あるとき、お前が聖なる光総てを知る者(タウゼンドヴィッセン)っと叫びながら何か四角い箱の前で睨めっこしたり」




命「……!!!!」


俺の顔が赤くなり、俺の黒歴史がフラッシュバックする。






ジークル―ネ「ある時は変な物に耳に当てて何かの陰謀に巻き込まれてそれの快進撃の話をしていたり」






俺はベッドの枕に顔を埋めてばたばたしていた




ジークルーネ「極め付けが修行と称して、己が学び舎の大木に縄で、己の方足を縛って、自ら逆さ摺りに成っていたな」





もうやめて! 俺のライフはもうゼロよ!



ジークルーネ「他にも……」




命「もうやめてくれーー!」




ジークルーネ「どうした!?」




命「いっその事ひとおもいに俺を殺してくれーー!」




ジークルーネ「落ち着け! それともう死んでいるだろう!」




―――――――――――






ジークルーネ「……落ち着いたか?」






命「……はい…」




色々とメンタルに深手を負ったけど……




ジークルーネ「……今日はもう疲れたと思うから、明日、改めて案内するぞ?」




命「……ありがとうございます」



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