地獄からやってきた7人のメイド
アニマ共和国は獣人の知的生命体が作りあげた国である。
リサーチで得られた情報通り、獣人という割には穏やかな性格な者が多い印象を感じる3人。
それに比べて人型知的生命体は縛り上げられてはいるものの減らず口を叩きながら縛ってある縄を解こうともがく。
見た目は植物繊維の縄だが惑星調査開拓宇宙船《黄金郷》で作成したカーボンナノチューブでできたワイヤー、地球人の知恵を遙かに越えた技術で出来ている。
しかも留め金は相手方がもがけば自動的に締め上げていく機能を有している。
「あんまり騒ぐと身体がそのうち2つになるぜ」
弥助が刀の鞘で盗賊の頭をポコポコ叩く。3人の持つ刀も《黄金郷》で作られた物だ。形状記憶処理が施され危険度に従い鋭利さを変えていく。
最も鋭利な状態になると超振動が刃先に伝わり全てのモノを切り裂く。
着ている服には防弾防刃機能が備わり、場合によっては全身を覆い、繊維に信号が伝えられると簡易型のパワードスーツとなる。
更に彼等の護衛にはレイガン、実体弾を放つ強力な各種の銃、携帯型のミサイル、各種用途の手榴弾に小指一つほどで高さ300メートルのビルを倒壊させる威力を発揮する爆弾が数十個が装備されている、この惑星においては無敵の最強アンドロイド集団が付いている。
彼等は影となり主人を守り、隠密として情報を探り、暗殺もいとわない。
いざとなればその姿を現し敵を引きつける犠牲となるは宿命。
影に生き影に死に、その屍を晒すことは無い。
故に誰にも屍を拾われることもない。
部隊名は地獄のメイド。
7人の完全武装したメイド型アンドロイドが宇宙という虚無の地獄から護衛任務を帯び惑星『猫野』に降り立った。
主人を『守る事だけ』に特化された人類史上最強メイド型アンドロイドなのである。
ユミたち3人と商隊は彼らに守られ無事にデルソルに到着したのであった。




