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地球からの贈り物を受け取った少年  作者: ちび猫pちゃん
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旅立ち

かつて宇宙空間に巨大な研究施設及び工場を先進国共同で作り上げ運営していた施設があった。

その施設により重力の干渉から限り無く解放、真空状態、絶対零度などの環境で新たに精製される様々な金属や医薬品、半導体素材から始まり必要から考え出されたソフトウェアの民生化などにより参加各国はその他国家に対して圧倒的アドバンテージを有した。


初期の段階で参加国を広く募っていたが国家間の軋轢や純粋に興味を持たなかった国などが意外と多くあり結局アメリカ主導の先進7カ国で始められた。

無駄な資金投入などと言われていた物が宇宙環境でしか作れない合金や化学物質が作り上げられ医薬品まで及び膨大な富を生み出し始めると、今まで参加しなかった国が急に参加させろと騒ぎ出す。

プラットフォームを作り出した先進7カ国は一切を拒否


遂には宇宙プラットフォームに地上からミサイルが放たれる。

これを見越していた先進7カ国は想定以上の攻撃になんとか対処したが一部に被害が発生。

本格的に宇宙施設の防衛に乗り出す。宇宙で作られる軍事兵器は地上の軍を圧倒、他国による月の軍事利用を阻止するため月を先進7カ国の植民惑星と宣言した。


宇宙施設建設に参加しない、また参加出来なかった他国もこれに手をこまねいていた訳ではなかったが、技術の差が開ききっており投資しても利益を出せない。

先進7カ国自体想像を上回る利益を叩き出す宇宙施設のために団結し宇宙産品目の市場独占が行われる。


世界各地で反先進7カ国デモが頻発するも受け付けない。

スパイが放たれ幾つかの技術が盗まれた事により更に排他的になる先進7カ国。

地上軍事侵攻されたが宇宙からの攻撃や最先端の地上兵器によってことごとく撃退。

遂には核ミサイルが発射されるも全て迎撃。

核ミサイルが使用されたことに憤怒し先進7カ国以外の人工衛星の地上落下、ロケット発射基地への攻撃を開始する。


ただ地上の先進7カ国は軍事で他国を支配しなかった。


余計な荷物は背負い込みたくなかった代わりに、経済で圧倒した。

宇宙で作り出される製品が地上でとんでもない価格で取り引きされる。

世界中の膨大な資源を例えば薬品一つで買いたたけるのである。


その間に月に巨大な軍事基地や工場が作られ、ついに宇宙連邦が先進7カ国により生まれた。


宇宙連邦に連なる国は技術の共有をはかりつつ、それぞれの国家毎に更なる宇宙進出に凌ぎを削り更に発展していく。


宇宙大航海時代が始まる。


太陽系は宇宙連邦共同統治とされたが外宇宙に対しては競争原理を持ち込んだ。

歯止めの無い技術的競争に宇宙は充分に耐えられると思われたからであった。

故に惑星の所有権は早い者勝ちと定められた。ただし先進7カ国国民の居住は自由である。


多くの地球に似る惑星が発見され先行調査船が放たれる。

超時空航法が産み出されなくとも未来を夢見た宇宙連邦国家群。

巨大な移民宇宙船や惑星開拓船の建造が始まる。

だが地上では相変わらず戦争が頻発。先進7カ国は核ミサイル攻撃などの今までの経緯もあり完全に他国とは一線を引く。


地球上で貧富の格差が一般庶民を直撃。支配層は先進7カ国を非難する事によって国民の目線を逸らす。先進7カ国の領事館や旅行者の被害が拡大。特に先進7カ国に接する国の被害が増大。

先進7カ国の軍事同盟は強固なものになっていき徹底的な圧力が加えられる。

とうとう軍事独裁国家の一つが世界中に生物兵器を持たせた工作員を派遣し同時攻撃を行った。


宇宙にいた人類は恐怖し月に残るもの、惑星開拓に未来を託すものとそれぞれ動き始める。その中で日本は出遅れてしまう。

あらゆる事態に対応できる無人の惑星調査開拓宇宙船の建造に時間がかかったからだった。ちなみに無人宇宙船を優先させたのは地上の事態を甘く見て人間を送り出す事に慎重になりすぎたからだった。


他の6カ国が人を乗せた調査開拓宇宙船を発進させる中、呑気に《黄金郷》を発進させる日本。

宇宙に残る月基地の先進7カ国国民と宇宙工場の日本人。

そこに突如として牙をむく潜入スパイと洗脳された兵士が月及び宇宙工場を破壊。さらには移民宇宙船の一つを強奪、冷凍睡眠中の人間を全て殺害。

元々目的だった惑星で国家の復興を目的に向けて旅立つ。


惑星調査開拓宇宙船《黄金郷》は乗っ取られた宇宙船からの攻撃をかわして太陽系を脱出。実はこの事態も想定されていて防衛機器を余計に装備されていたお陰で対応できたのだ。


『こんなこともあろうかと』と念には念を入れたがった技術者のお陰であった。

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