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翳る日の丸  作者: くま
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翳る日の丸ー1章③ー

ストッ。

男の頭の上に、柔らかな熱。


野生を完全に忘れたモモンガがやって来た。

名前はモンモ。

両皮膜の端と尻尾に小型のプロペラが付いており、尻尾のプロペラは右耳に痛みを与えている。


愛玩動物兼、体格の小ささや夜行性を活かして夜間労働力としても使役できることが期待され、屋根裏・軒下点検のお供にと重宝された。


追い風時の滑空能力は目を見張るものがあるが、故にそのまま脱走したと思われる個体がモンモだ。

証拠に、赤い首輪が付いている。


ブロロロロロロロロ


一台の車がスクラップ場に止まった。

もう日が暮れる。夜は明かりがなく、昼に比べると運転は飛躍的に難しくなる。

つまり、ここで朝まで過ごそうという考えの人間が来たということだ。


昔の言葉で言えばメタボリックな中年が駆け込んできた。男に火急の頼みがあるようだ。


中年は、関東都にて人気のある、イルカをウェイターに使ったチェーン店のオーナーだと言う。

碁盤の目状に作られた水路を往き交い、客の元へ食べ物を届けたり、食器を下げたり。

浮力により、重たいものを人が走る以上の速さで運搬出来る。

背びれに取り付けて使う、波を感知してバランスを取るカゴが壊れたらしい。


マイクロチップの点検も頼みたいが、イルカを連れてくるわけには行かず、出張整備を依頼しに来たのだ。


明日の朝イチで、東京へ向かうことになった。


次筆へ続く。

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