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追いかけてくる

作者: 大帝

夢のお話しです。



 銃を持つ奴に追い駆けられる夢を見た。



 寝る直前に、ユーチューブで昭和のシーンを観ていた為か、その追い駆けられるシーンの前では団地横の風景が暫く映る。昭和の団塊世代を思わす団地横の道を、ずっと歩いたり走ったりしていた。その際に見た風景は夕暮れであり、黄金色の空気に包まれていた。



そこで若い頃の武田鉄矢を見、俺も有名人になりたがった。他にも沢山の有名人が出演していたようで、その映画は住宅横の景色と同化していた。その黄金色した現実が、映画の各シーンとなっていた。俺が観たのはほぼラストシーンのようである。



俺は黄金色の風景を通り抜けつつ、誰か・何かを探しに出る旅をしていた。そこで、

「俺はもしかしたら誰かに連れられているのかも知れない」

と思った瞬間、俺の前を黒髪の少年のような青年が歩いていた。俺はそいつに連れられて、どこかへ向かっている。



途中で俺は『ルパン三世』のストーリーや予告、それと芸能人の事を想像し、俺も有名人になってモテたくなった。その際、ジャケット写真に載った俺の顔が実にイケメンに映り、それを元に「モテたい」と思う。ジャケットに映るその顔は可愛い感じのモテ顔である。丁度八十年代のアイドルを想わすような、男女共々放って置けなくなる玉のように輝くモテ顔だった。



そして『ルパン三世』に登場する「財宝を山ほど持っているキャラクター」を想像し、それに自分を当て嵌めた。



しかしそれになるにせよ、そのキャラクターの職業は何が良いかと暫く考える。



歌手、俳優、記者、フリーライター、作家…、自分はいま作家やフリーライターなれども、これで果たして丁度好いのか、歌手なら雨の夜や淋しい街角でも好く似合い、その格好がずっと程好い…、俳優でも何か得体の知れない良さがある。果たして記者…作家…フリーライター…、そう思っている内、結局自分は作家にしか成れないと知り、自分のキャラクターは「作家」という事に落ち着いた。



作家のキャラクターが、ルパンに色々物を盗まれたり、協力を依頼する場面などを想像しつつ、作中のストーリーで自分が良い味を出し、活躍するシーンを改めて想像していた。

している内に、俺の前を歩く青年の目的地へ着いたようだ。



だだっ広い空き地。



空き地に着いた事を知った俺の横には、ゴミ置き場のような建物が一つあった。


ただ砂埃が空気に舞い上がるだけの、人気が全くない、とても淋しく退屈な場所だった。


そこで青年は急に俺に向き直り、懐に持っていた拳銃で俺を狙い撃ちにして来た。


それを見た瞬間俺はとにかく逃げ出し、奴から出来るだけ遠くへ離れようとした。



格闘している内に(いやこのシーンの前かも知れないが)、いつの間にか美智子のマンションへ来ている。そこで営みをするべく、俺は美智子の両腿の間に顔を埋め、美智子の尻穴を匂う振りをした。それまでに美智子が「しょうがないわね」とか言いながら自分のズボンを摺り下げ、ゼックス出来る準備を整えた経過もあった為、俄かに出した営みへの衝動を引けなくなっていたのである。尻穴を嗅がれている間、美智子が感じているかどうかは分からなかった。時は夕暮れであり、曇り空の薄暗いぬるみが漂っていた。



それから空き地へ戻り、俺は鬱陶しい青年と対決している。




奴は死太く俺を撃とうとして来て、はじめは邪魔されないようにとかなり離れた位置から俺を狙っていたが、



「当たらへん!」



むずかり、失敗した子供のように段々俺に近付いて来た。擦り寄りながら撃って来た。



その内に既に何発か撃って来ている。



俺は離れているため何とか弾を躱せていたが、近付かれたら駄目である。



「これでは当たってしまう…!やっぱりコイツから離れねば…!」

と決意新たに、またそいつから逃げようと努力した。



まるでその場所は、昔のジャッキーチェンの映画に出て来る「最後の決闘場所」のようだった。砂煙が舞い上がる、昼下がりの炎天下にある。けれど暑さを感じなかった。



俺がどんどん逃げようとすると、奴も鬱陶しく追って来た。一度、俺の右側の上腕を弾が掠った。



絶対絶命に近くなる内、逃げようとしていた先に雑木林のような小森の道が現れた。そしてその中から何人かの人が現れてくれた。



「よかった…!俺一人じゃない、これでアイツも容易く人を殺すという、衝動的な行動に出られなくなる…!」



そう思った俺に、少しの安心と勇気が灯った。



初めに雑木林から出て来たのはそこから地元の青年で、半袖姿と短パンというスタイルだった。けれど結局そいつも半袖姿のままで撃たれていた。



ここでまた、俺は一度絶望し掛ける。



しかしポロポロとだが、次々に小森の中から人が現れるようになり、アイツの立場も段々危うくなっていった。



次に出て来たのはレジャー中のカップルであり、一瞬、俺と一緒に犯罪者の青年を捕まえようと努めてくれた。



しかしバンバン撃って来ようとするので、先ず身を隠すので精一杯だ。



結局、雑木林から出て来る彼等とでは対処し切れないようになり、俺は銃を持つ奴と一対一で対決するしかなくなった。



しかし銃である。迂闊には近付けない。銃口がこちらを向く度、生きた心地がしなかった。



十メートルが九メートル、八メートルが七メートル…、奴は小走りしながら、段々と俺に近付いて来た。俺は近付く奴に向かって、逃げながら振り向き様に石を思い切り投げて応戦した。



そしてどんどん奴は近付いて来て、やがて俺から一メートル半程の距離まで近付いた時、俺は決死の覚悟で奴にタックルをした。そして奴の銃を奪おうとした。その直前に投げた俺の石が、奴の体にドンと言って当たり、それが元で奴が少しよろめいたからである。



しかし奴も夢中で抵抗する。銃を取られちゃどうしようもないと、とにかく落ち着いて銃口の狙いを定めながら俺を狙い撃ちにしようとして来る。



それだけ銃を持つ奴が目前まで近付いている事もあり、俺は気が気でないまま、もう一度石を思い切り投げる。



すると、その石は距離が近い事もあり、奴の左肩にモロに当たった。



そのため奴の持っていた銃は一旦俺から逸れて、もう一度俺を狙い撃ちする為の体勢を立て直さなければならなかった。それに少し時間が掛かったのである。



その瞬間を見逃さず、俺は危険を承知で更にタックルし、奴が左手に持っている銃を今度は本当に奪おうとした。



しかしまた奴の異常な抵抗力に遭い、中々上手くはいかない。暫く揉み合う。



「初めから人殺しをしようと決めている奴と、人殺しをする事に躊躇する俺との差」があり、俺は中々思い切った行動に出れずに居たのだ。



しかしその「初めから人殺しをしようと決めている奴」の姿勢に段々苛立ち始め、俺は遠慮というものを失った。そして怒り心頭に発する形で、俺は目覚め掛けた。



その目覚める瞬間、「夢の力を借りる事」を思い出し、その無敵の力を以て俺は難無く奴から銃を奪った。常人の何百倍も強い握力で奴の両手首を握り締め、そのまま奴の両手を手首から切り落とした。そして落ちた奴の左手から、銃を奪ったのである。そこではっきりと目が覚めた。


夢と言っても、現実以上に熱くなることってありますよね。

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