05 森の中のモンスター
久しぶりのバトルです!
はしゃぎ疲れたエミリを寝かしつけリエは晩飯の後片付けをしている。僕はなにもすることがないのでリエの手伝いをする。
2人で黙々と片付けていく。リエも僕も一言もしゃべらなかったが僕はなぜか安心することができる。
「ありがとうございます。おかげさまで早く終わりました。」
「いや、こちらこそ。今日はありがとうございました。」
そして僕達はまた無言になる。そして僕は言いにくいが明日にでもここを出ていくことを告げる。そろそろ街に出て『試練』に行ってみたい。理由は一つ『試練』をクリアすると『願いが叶う』と言われているからだ。なんの根拠もないが僕はそれを信じて進むしかない。
「僕は明日の朝にでもここをでようと思うよ」
リエは寂しさを隠す様に笑うと
「知っています。だって探索者さんですもんね...」
「うん。僕は『試練』の先に用事があるから」
「...また会えますかね?」
「きっと会える、また近くにいくことがあったらここを尋ねるよ」
「はい、まっています。」
リエとの会話を終えて僕は用意された部屋にいき『なんのために戻る』のかを考えていた。
なぜか心当たりあるのに記憶にはない。僕はなぜだろう?と必死に思い出そうとするがとうとう睡魔に耐えられなくなり眠ることにした。
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まだ太陽は見えてない。こんな時間に起きるのは日本では当たり前なことでそれが日常だった。
僕は部屋の済に立てかけてある刀を持ち静かに家をでる。
いつも通りの型の確認だ。頭の中で空想の敵を用意し順番に倒していく。右から、左から、上から、前から、そして後ろから。全ての敵を頭にの中で再現しては斬り伏せていく。
全ての確認が終わると太陽は顔を出し始めていた。僕は家の井戸で水を汲みタオルを濡らして体を拭く。そして家に帰り支度をするが生憎持ち物が少ないのですぐに終わる。あとは部屋を軽く掃除して2人を確認する。2人ともまだぐっすり眠っている様子なので手紙を書き机に置いておく。
僕は街まで近道をしたいため歩くことにする。魔物が出やすいらしいが街へ一直線でいけるし、どんな魔物がでて、どれだけ自分が戦えるのかを試したいと言う気持ちがちょっぴりある。
僕は大きな深呼吸を何度か繰り返すと魔物が出やすい森に足を踏み入れる。
森には日本ではみたことのない規模の木がたくさん生えてあり、太陽の光も木により遮られる。僕は昨日持ち帰った地図を見ながら進む。ここまでは順調だ。むしろ順調過ぎてなぜか不安だ。
森の真ん中までついた途端突然何かが飛んでくる。
僕は落下地点を予測して大きく後ろに跳ぶ。
飛んできたのは大きな石の塊で地面に当たり粉々になる。あんな大きな塊が粉々に...?僕はその力に息を呑む。
僕は石が飛んできた方向を凝視する。すると木々の間から顔を出したのは顔は豚のよう、体は人型の魔物、そして手には木の棍棒を持っている。
僕は『心眼』を使いその魔物を凝視する。
オーガ Lv1
[スキル] 怪力Lv2
僕はオーガと言う魔物に初めて会い気がしまる。心眼のおかげでレベルとスキルがわかるのが多少の救いだ。
オーガは僕と目が合うと走り込んでくる。その速度を感じてオーガは素早く動くことが出来ないことがわかる。そうと分かれば簡単だ。
オーガは手に持っている棍棒を右上から左下に力強く振り殴るが僕はそれを素早くかわして後ろに回り込み腰を下げる。
「柊流──」
オーガは目の前にいるはずの僕が後ろにいることに気が付き無理やり体を軸に棍棒を僕の方に振る。
だが、それはもう遅い。
「──刹那」
棍棒は空を殴り僕の刀はオーガを斬りこんでゆく。刀を最後まで振り抜くとオーガは地面に倒れ青白い粒子となり消える。
コトン。歪な形の結晶が落ちる。僕は拾い上げ『心眼』を使用する。
・オーガの魔石
[オーガの生命力そのもの。装飾品として身につけると+50の筋力値ボーナス]
そろそろ『心眼』の使い方になれた僕は色々な物を凝視する癖がついているのに気が付く。
ドロップした[オーガの魔石]をポケットにしまうとまた歩き始めた。
次回もお楽しみに!




