お詫び
長期に渡る宇宙探索の任務を終え、探索隊を乗せたロケットは地球へと進路をとっていた。
ロケットの操縦を任されていた隊員は、長期任務を終えた安堵から緊張の糸が緩んだらしく、うつらうつら睡魔と戦いながら操縦桿を握っていた。
その時、突然船体にズドンと鈍い音と共に衝撃が走った。一体何事かと隊員達が操縦室に集まる。何かに衝突したらしい。すぐさま隊長の指示で船体の被害状況が確認されるが、幸い航行に影響はないらしかった。
しかし問題は衝突した物体である。ロケットの先に、一部分がベコリと凹んだ円盤形の宇宙船が停まっていた。探索隊を乗せたロケットは、どうやらこの宇宙船に衝突したようだ。
地球の基地へ連絡を入れようとしたところで、円盤形宇宙船の上部が開き、中からタコの姿に似た宇宙人が現れ言った。
「おい、どこを見て飛んでいるんだ!!いきなり突っ込んできやがって!!おかげで我々の宇宙船がご覧の有り様だ!!」
探索隊の隊長は船外スピーカーに通じるマイクに向かい、お詫びの言葉を述べた。
「申し訳ございません。全てはこちらの責任です。宇宙船の弁償はさせてもらいます。」
それを聞いたタコ型宇宙人は、
「そうか、ちょっと待ってろ。」
と言うと宇宙船に戻り、しばらくして再び現れ言った。
「この宇宙船は宇宙でも非常に珍しい貴重な素材で出来ている。今調べたところ、お前達の地球の土地半分でちょうど釣り合いが取れるのだが…。」