ダイヨンテンゴマク
あの日、何があったんだろう…
私は一人隠れんぼの怖さを知らなかったんだ
一人隠れんぼ三時間前
もう×樹ぃ…
なんかあったらどうしてくれんのよ…
私はその時、一人隠れんぼに使うぬいぐるみを探していた。
あのぬいぐるみ、私の大大大嫌いなお人形。
あのぬいぐるみがいなければ良かったのに。
確かあれ、押し入れの奥にしまったのよね…
私の家には十年位前から一度も開けていない部屋がある。
その部屋はもともと私のお母さんとお父さんが使っていた部屋だ。
あの部屋には十年前から開けていない押し入れがある。
あの押し入れに私の大嫌いなぬいぐるみがいる。
大好きだった両親はもういない。
大嫌いなぬいぐるみに殺されたから。
だから、一人隠れんぼには貴方をつかってあげるから、お父さんとお母さんと同じくらい苦しめてあげるから、そのはずだった。
一人隠れんぼ開始
「最初の鬼は○美だから最初の鬼は○美だから最初の鬼は○美だから」
もうやめられなくなったわね…
大丈夫、皆も同じことしてるから…
私は大嫌いなぬいぐるみを水に沈めた。
多分、その時の私は人を殺す前の顔になっていただろう。
だってあんたが憎かったから、
憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて
苦しい?でもね、あんたに殺された私の両親の方がもっと苦しかったんだよ?
そして十秒後、ぬいぐるみの腹に包丁を刺す。恨みを込めて…
その後は正しい手順で隠れんぼを実行した。
でも、失敗した。
あのぬいぐるみは消えて、テレビからはおかしな放送が流れて…
呪いなの?あのぬいぐるみにひどいことした仕返しなの?
なら…皆を私のせいで危険なめに会わせるかもしれない
そう考えると震えが止まらなくなった。
どうしよう、どうしよう……
また、お母さんとお父さんみたいに、皆…殺されちゃうかも…
私のせいだ…
そして、電話がかかってきた。
体がはねあがるほど驚いたが、電話相手が×樹だとわかると、自然と涙がこぼれる。
良かった…×樹は無事だ…
×『おい、大丈夫か?怖いのか?』
怖いよ…皆が無事じゃなかったら…
×『大丈夫だ、安心しろ。俺も☆也も、□斗も無事だから』
×樹の声を聞いているとだんだん落ち着くことができた。
皆無事…良かった…
△菜に電話すると、△菜はひどく落ち着いた声で、恐怖が微塵も感じられない。
でも、私だとわかると、声のトーンがいきなり上がり、喜ばしげに話始めた。
さっきまであの恐怖の隠れんぼをやっていた人間の反応ではない。
異様に明るい△菜に恐怖さえ感じた。
でも、全員無事。
今のところは…
次の日、もし皆がこの教室に来なかったら…
私は一人で教室にうずくまっていた。
しばらくしても誰も来ない。
嘘でしょ………
まさか、あの後皆…
そして、
ガラガラ
「×樹………」
×「大丈夫か?○美、」
「怖かった、皆捕まってたらって……」
何で×樹は毎回、私が心細い時に来てくれるんだろ…
その後、続々と皆集まり、一人もかけていなかった。
………良かったよぉ……
でも、本当の恐怖はこれからだった。
☆「鬼を見つけよう?」
そうだ、鬼を見つけないといけないんだ。
じゃないと恐怖は終わらない。
皆は私が守るんだ
私のせいなんだから…
早く終わらせてまた皆で楽しく過ごしたいな…
その時私は忘れていた。
狼、つまり私たちの中の一人を殺さなければならないことを