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終焉ヒトリカクレンボ  作者: 化け狐の子守り火
3/5

ダイサンマク

「最初の鬼は×樹だから最初の鬼は×樹だから最初の鬼は×樹だから」

午前3時になったらゲーム開始。

まずは最初の鬼は○○だからと三回繰り返して言う。

次に風呂場に行ってぬいぐるみを水の入った浴槽に沈めて、家中のテレビ以外の電気を全て消す。

テレビは砂嵐状態にするらしい。

そして目をつむって十秒数える。

頭がふわふわして自分が何をしているのか分からない。

「9、10、もぅいいかい?」

俺は急いで風呂場へ行き、ぬいぐるみを取り出して

「コックリさん見つけた」

と行って刃物をぬいぐるみの腹に突き刺した。

想像していたより怖くない。

何でか分からないけど、皆も今同じことをやってると思うと、怖さがやわらいだ。

「次はコックリさんが鬼だから次はコックリさんが鬼だから次はコックリさんが鬼だから」

次は俺が隠れる番。

塩水の置いたところ、ベッドの下に俺は潜りこんだ。

体が震えている。

怖い


の震えでなく、武者震いだ。

怖いはずなのに、何故かワクワクして震えが止まらない。

何でこんなに震えてんだよ俺…

皆も今こんな感じなのか…?

震える体を抑えるようにして俺はしばらくうずくまっていた。


何も来ない。物音はしないし、テレビにも以上はない。

そろそろぬいぐるみのところに行くか…

塩水を口に含み、ぬいぐるみの場所へ向かう。

確か一~二時間で終わらせないといけないんだよな…

時計は3時50分、もうすぐで一時間がたつ。

結構早く終わるな…

皆はしっかりやってるかな…


風呂場の入り口に手をかけた。

瞬間


ピルルルル ピルルルル

心臓が止まるかと思った。

今の音はポケットから、

携帯に電話がきたのだ。


ビックリした…

汗がだらだらと流れ、身体中がチクチク何かが刺さった感じがする。

電話を無視するが、着信音は止まることなく静かな家に鳴り響く。

仕方なく携帯の待受を見ると、画面には


『□斗』


と表示されている。


□斗…?何で?

終わったのか…?

今は無視しないと………

でも、もし一大事だったら…

出るか出まいか迷った挙げ句、結局出ることにした。

もし何かあったら大変だからだ。


「もしもし□斗…?」

小声で電話に出る。

だが向こうから返事がない

「おい、□斗?どうしたんだ」

しばらく沈黙が続いたあと、震えた声で□斗の声がした。

『×…樹………。あの、さ…ぬいぐるみが…』

「ぬいぐるみ?」

『ぬいぐるみが………

風呂場に置いたはずなのに、





風呂場にいないんだ…………』


いない?

どういう事だ?

ぬいぐるみが移動した?

「よく探せよ、暗闇で見えないんじゃ」

『違う…、浴室にも、どこにもいない。絶対にだ……』


じゃあどこに?

ぬいぐるみがなくなったって…誰かが移動させたのか?それとも、

『でもな、かわりに………水の後がトイレに向かって続いてるんだ…這いずったみたいな…』


じゃあ、ぬいぐるみは…一人で動いたのか?

まさか、だって…そんなはずない。

『二時間以内に見つけないといけないんだよな…でも、さ、トイレにも、いないんだ』

「は?じゃあどこに…」

あ、







塩水飲んじゃった…


『なぁ×樹…どうすりゃいいんだ?俺…殺されるのか?』

「落ち着け、見つけるんだ、ぬいぐるみを…」


人の心配をしている暇じゃない。


俺も失敗したのか?

『×樹…俺……』

□斗は今にも泣き出しそうな声で呟いた。

いつもの勢いがない。


鬼はどこに行ったんだ…?

まさかと思い浴室のドアを開ける。

が、



あれ?




いない…?

何で?

確かにここに置いたよな?




怖い…怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


「俺も…鬼がいない…」

『え?何で…』

そと時、




ざあああああ…

テレビから雑音がした。


『ひいっ……』

□斗の方からも同じ音がする。

多分□斗のテレビも音を発し出したのだ。


手が震える。

体も、歯も、

ガシャッ


塩水の入ったコップを落としてしまった。


ざあああああ…


静かな家にノイズが鳴り響く。


そして

『ざあああああ…………ひ………か…れんぼの参加者に、告ぐ。』

ノイズはいきなり声に変わった。


『鬼は降りた。誰か一人のもとえ、鬼を見つけろ、そして終わりを迎えろ。一週間以内に、失敗したら、皆殺される。』




携帯の向こうからも同じ声がする。

なんだ………これ、


『鬼の見つけ方は、コックリさんに聞け、』


『鬼が降りた人間は狼だ。狼は、お前らの中にいる。狼も見つけ出して殺せ。狼は裏切り者だ。』


そう告げるとテレビはもとの砂嵐の画面に戻った。


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