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横顔



「ねえおかあさん」

「なあに?」

「どうして横を向いてるの?」


 わたしは生まれてからずっと、おかあさんの横顔しか見たことがない。どうしてだろうと不思議に思って、今日この日、思い切って聞いてみた。


「いいじゃない、おかあさんはいるんだから」

「それはそうだけど」


 なんだか腑に落ちないまま、おかあさんの右顔を眺める。


「あ、おとうさんに聞いてみよう」

「そう、じゃあちょっと待っててね」


 立ち上がったおかあさんが、すらりと襖を開け、おとうさんの書斎に入っていった。


「どうした」

「あ、おとうさん」


 少しだけ開いた襖から、おとうさんの横顔が覗いた。


「あのね、おかあさんいつも横顔しか見せてくれないなって」

「いいじゃないか、おかあさんはいるんだから」

「そうだけど」


 おとうさんの横顔を見ながら、そういえば、おとうさんの左顔しか見たことがないなと考えていた。

_2009

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