プロローグ
私達はどこにでもある恒星の、マイナーな惑星に住む、血統の良い猿にすぎない。
しかし私達は宇宙というものを理解できる。
そのために、ちょっとは特別な存在なのだ。
- スティーヴン・ホーキング
「なぁなぁ、あんたのご先祖様ってどんな人?」
「…いきなりなんやねん。知らんがなそんなもん。」
「外国人の転校生のユリアさんおるやろ?あの子な、ご先祖様が王様やねんて!」
「ほぅ」
「でなでな、あたしのご先祖様はどんな人なんやろーって思ってん。でな、あんたは?」
「…農民とかそんなんやろう。だいたい、ご先祖様と言ってもいったい何人いるんか…おとんおかんじいばあだって、ゆうたらご先祖やで。」
「そういうのんじゃなくて、こう、昔の」
「両親や祖父母を見て想像しいや。まぁ、なんであれ、私は私が大切やねん。興味ないわそういうの」
「.もーつれへんなぁさっちゃんはー!もっとコミュニケーション力を磨かな彼氏でけへんで。」
「む!ええよ!彼氏なんてほしくないし」
「恋を知らないなんて青春を無駄にしてるでさっちゃん。性欲強いのに、リアルの男には興味ないの?」
「つ、つよないわ!二次元がいいわけでもない!」
「ふーん。特定の異性を求めるほど精神が成長してないんやね」
「ちょ、そもそも!男がどうとか!そういうのを大人の証やっていう風潮はあかんねん!本当に大切にしたい人がいれば、付き合いたいとは思う。でも、恋愛そのものを目的とするのはやな、」
「まじめやなぁさっちゃん。いいこいいこ」
「こ、こどもあつかいするな!」