ビートルズと会う
リアルな友人、僕の先輩の男性が気にいってくれた作品です。
こんな夢をみた。
1960年代初頭のイギリスにいた。
ビートルズに会える可能性があるのに気付き、早速リバプールに急いだ。
紳士淑女の街で‥‥は、決してなかった。
すでに夕刻ではあったのだが、いろんな意味で暗かった。
有名なレンガ造りのクラブに行った。
おおっ!
演奏を終えたジョンとポールが、休憩時間のファンサービスなのか、入り口付近のテーブルに陣どっていた。勇気をだして声を掛けた。
‥‥今の、リトル・リチャードかい?あいつより君のシャウトが本物だね、ポール。
‥‥ありがとう。黄色い君に言われて、僕も嬉しいよ。
‥‥歌詞、ときどき忘れることもあるんだね、ジョン。
彼は僕の顔を、むしろ冷酷といってもいいような目で見てた。
そう言えばジョンは、ドイツのことを憎く思ってて、日独伊、と友好関係にあった日本を好きではないという記事をどこかで読んだことを思い出した。君は将来、日本人の奥さんをもらうことになるんだよ、と伝えたかったけど、とりあえずは止しておこうと考えた。
‥‥僕の単なる直感だけど、君たちは世界を、必ずや征服することになると思う。
二人いっしょにニッコリと笑い合い「サンキュー」「サンキュー」
‥‥例えば僕が曲のタイトルとして、プリーズ・プリーズ・ミーなんて言ったら、何か感じるかい?
しばしの沈黙があったが、ジョンが重い口を開いた、
‥‥プリーズの意味が違うんだなぁ、
と、ようやく僕を、一人の人間をみるような視線になった。
‥‥太陽を追う、なんて、いい感じの曲になりそうだとは思わないかい?ポール
ポールは鼻歌で僕の知ってるそのメロディを、ハミングした。
ジョンがむしろ興味深げに、身をのりだしてきた。
‥‥ジョン。君は、すごく自分に正直な人間だと思う。世界を征服したにもかかわらず、君はSOS信号を打電するしかない状態になってしまうんだ。そんな時の君の心の叫びは?
‥‥ヘルプ?
僕は、ありとあらゆる彼らの物語を聞かせてあげた。
‥‥ジョン、君は解散後、心のゲームに関する曲を創るといいと思うよ。その曲のベースギターの音階は、ドシラソファミレ‥‥。それより幾分前にポール、君はドレミファソラシドで、ハロー何とかという曲を創るはずだ、でもジョン、君は精神的な曲にしなくちゃいけないんだ!
ジョンは怪訝そうな顔をしてた。
‥‥ポール、バッハはやっぱり、すごいんだよ。インスパイアされるかも、だね。
そして締めの助言は当然、12月9日の、あの事件のことにする積りであった。なかなか伝えにくいことがらでもあるし、どうしても伝えたいし、回避するような説得力をもたせ、いかように伝えるにはどう切り出したらいいものか、彼らの成功ストーリーのヒントを示唆しながら、頭の隅ではそればかりを考えていた。
解散したのちのポールの将来もオブラートに包んで教えた。リンダの死をほのめかしたら、彼は悲しげに目を伏せた。
でも、大丈夫。その後も好きな人は出てくるさ‥‥好きな人を単数にするか複数にするか瞬間迷ったが、単数にしておいた‥‥‥
それから、意を決めてジョンに向かった。
日本の女性との恋愛、結婚。中国からの女性につらく当たらぬよう釘を差し、君の誕生日と同じ日に息子ができると伝えたところで、アランという名の辣腕マネージャーが赤ら顔で近づいてきた。
30分を越える無駄話‥‥違うっ!違うのに‥‥になった僕らをにらみつけながら、
「いつまでアブラを売ってやがる。もっとステージ、派手に演らないと給料さっ引くからな!!」
資料にあたることなく書きました。記憶違いなどありましたら、ご教示ねがいます。
また、ビートルズ関連は、次々と発表の予定です。