表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/44

福田洋子(ふくだようこ) 7

三年のクラスメートは三年連続のきけちゃんと、一年の時の明彦、新しく出来た友達のあつしや高野、その辺りと休み時間は話す様になった。

しかしこの頃の俺は『本当の自分を見せない様に』が悪化していた。

休み時間は自分から誰かに話しかける事は無くなり、窓の外を眺めているか机の上に座りボンヤリと過ごす様になっていた。


自分から関わる事を完全に避けていた。

ただそれに反して一番思い出の多い高校生活も三年だったかもしれない。

世間で言えばテトリスが流行った年だ。

洋子と自由行動を過ごした修学旅行、二回戦負けをして悔しかった部活の引退、夏休みの就職活動、何をしたか覚えていない文化祭、二人三脚で転んだ体育祭、洋子と過ごせなかった年末年始、緊張した就職試験、涙を堪えた卒業式、そして何よりも卒業式後の富田先生へのお願いだった。


三年の担任も一年の時と同じく富田先生だった。

卒業式が終わり校舎内を洋子とうろついていた時、冨田先生とすれ違った。

その時にこんな会話を交わした。


「先生、俺達必ず結婚するから、その時は仲人をやってね」


「バカ言ってんじゃないよ」


これは卒業してから六年後に現実となった。

高校を卒業をすると俺は飲食店で、洋子はデパートで働く様になった。

それからはとにかくお金を貯めあった。

三十歳前には家を買いたかったからだ。


上司に恵まれた俺は失敗を繰り返しながらも確実に成長をしていき、二十歳の時に同期ではトップの成績で店長へと上り詰めた。

物事は全て良い方向へと向かっていた。

そんな時に一つの別れは訪れた

予測できた別れであったが、やはり悲しみは深かった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ