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心の変化 8
この頃の母の怒り方はヒステリックだった。
ただ日常茶飯事ではなく、あくまでも意味があって怒る時だけなので、俺も姉も受け入れるしかなかった。
と言っても現代の様にタバコを押し付けたり絶食させたり、下手をしたら死に至らしめる様な事ではない。
布団叩きで力一杯に何度も叩かれるのだ。
しかも洋服の上からではなく、素肌が出ている所を狙って。
終わった後にはビッチリと痣が出来ている。
まるで陸地が貧相な世界地図の様だった。
当然しばらくジンジンとした痛みも残る。
抵抗の出来ない小二にとっては、何よりの恐怖だった。
それでも耐えるしかなかった。