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いざ辞めてしまえば……
いざ辞めてしまえば 気楽なもんだな
目覚ましとも時間とも 無縁になった
起き抜けのタバコが 鼻腔をくすぐる
窓の外ではまた 重機が鳴っている
仕事は辞めるまでが 大変なのさ
替えはこの世に ごまんといるんだから
必要なのは 俺の言葉だけだった
悩んだ時間に 見合わない一言
あっけなく絶たれた 社会とのつながり
狭く限られていた もろい箱庭
日一日と過去が 遠ざかるにつれ
日一日と俺は 過去に戻っていく
いざ辞めてしまえば 気楽なもんだな
それでも俺は 六時半に目覚めて
八時前には 飯を食い終わっている
そして夜は 十二時の前に眠る
家の外ではまた 重機が鳴っている
朝から晩まで 作業員の声と




