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プロローグ
俺の名はヨシュア。ここ王都へと徴兵されてきた、辺境の村のしがない農民である。
幼馴染のマリーと、唯一の肉親である妹のアンナの生活を楽にしてやりたいと思い志願した。
ここ王都で訓練を受けて、正式に採用されれば、決して村の暮らしでは手に入らないような給金がもらえ、彼女たちを助けることができる。そう信じてのことだった。
そしていつかは村に帰ってマリーと結ばれたい。そう思っていた。
しかし、そんなに人生は上手いこと作られていないという現実を、俺は思い知らされる事になる。
「私を愛しなさい。」
この女王のたった一言の命令のせいでー