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第4話 スキルを使って家を作ろう。

お弁当を食べ終えた私たちは、まず拠点となる家を作ることにした。

最初は森を出てどこかの国に行くことも考えたけれど、私はこの世界に着いたばかり。

テルース様の加護のおかげでこの森にいても安全みたいだし、新しい環境に慣れるところから始めることにしたのだ。


私は異世界仕様になったスマホの地図アプリを起動し、この森の地形を確認する。

今いる場所は、この森のやや南東あたりに位置しているらしい。


「近くに大きな湖があるみたいだから、まずはそこに向かおう。」


微かではあるけど遠くのほうから水音が聞こえてくるし、そこまで遠くはないはず。

そう思った私は、暁と一緒に地図を見ながら歩き出した。


『リリーこれおいしい?』

「うん。そのオレンジは食べれるよ。」

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【マンダリアン】

バレーシムでよく獲れる果物。

甘くて爽やかな味と香りが特徴。

地球でいうマンダリンオレンジと同じ。

※迷路の森産は通常の2倍サイズ

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『これはー?』

「わあ、ラズベリーだ。ジャムにしたら美味しそう。」

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【ラーズベリー】

バレーシムでよく獲れる果実。

甘い香りと程よい酸味が特徴。

地球でいうラズベリーと同じ。

※迷路の森産は通常の1.5倍サイズ

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「暁、ちょっと待って。ここにあるのバジルだ!」

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【バジェル】

バレーシムで獲れるハーブの一種。

爽やかな香りが特徴。

地球でいうバジルと同じ。

※迷路の森産は通常より香りが強め

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――― 移動開始から約30分。

私たちは今、絶賛食材調達中だ。

スキルに慣れるため鑑定を使いながら歩いていた私は、周囲に食材が沢山あることに気づいた。

安全とはいえ、広大な森の中でいつ食材が手に入るか分からない。

私には時間停止機能が付いた無限収納(インベントリ)があって腐らせる心配がないので、獲り尽くさない程度に収穫しているのだ。

…その結果、本来歩いて10分で着くはずの湖に約3倍の時間がかかってしまったが。


「ここが地図に載ってた湖か。大きいなあ…」

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【シュトル湖】

迷路の森にある湖。

湖の水は軟水で飲用可能。

やわらかく、まろやかな口当たりが特徴。

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湖に近づき水面を覗くと、小さな魚が泳いでいるのが見える。

家が完成したらここで釣りをしてみるのもいいかもしれない。


「よし。この辺に家を建ててみようと思うんだけど暁はどうかな。」

『僕はリリーと一緒ならどこでもいいよ。』

「そっか。じゃあ、これから家を建てるから暁は周りを警戒しててくれる?」

『わかった!何かあったら教えるね!』


暁に周囲の警戒をお願いした私は周囲を見渡し、家を建てられそうな場所を探す。

すると、今いる場所から少し離れた先に開けた場所を見つけたのでそこに家を建てることに決めた。

建てたい場所の前に両手をかざし、頭の中で完成像を思い描きながらスキルを発動する。


創造(クリエイト)!!」


――― ドドンッ!

大きな音とともに現れたのは、三角屋根が特徴的な北欧スタイルの一軒家。

外壁は白と黒のツートンカラーで、1階には大きな窓とウッドデッキがついている。


『わあ、おっきいお家だ!』

「こういう家に住んでみたかったんだ。これから家の中をやってくるから、もう少しだけ外の警戒お願いしていい?」


私は『いいよ!』と返事をする暁の頭を撫でると、扉を開けて内装部分に取り掛かる。

玄関は広さを確保して、靴を脱いで生活出来るよう上がり框をつける。

1階は広く見せるためにLDK部分の仕切りはつけず、お風呂やトイレなどの水回りは人目につかないよう奥に配置。

リビングとダイニングは落ち着いた雰囲気になるようヴィンテージのインテリアを合わせ、キッチンはL字型のオープンキッチンを採用。

あと、食材が置いておけるようキッチンの隣にパントリーも作っておいた。

お風呂とトイレはそれぞれ独立させて、トイレは勿論水洗トイレを設置。

お風呂は足を伸ばしても余裕があるほど大きい浴槽と、前から気になっていたミストサウナを天井につけてみる。

異世界転生で定番のお風呂に入れないっていう状況にならなくて本当に安心したよ。

創造(クリエイト)スキルに感謝しなくちゃ…


2階には寝室を含めた部屋が3つと、納戸とトイレを設置。

1番大きい部屋を寝室にしてベッドは贅沢にキングサイズ。

ベッドの横にはサイドテーブルとお洒落なテーブルランプを置いて、他にも机や本棚をバランスよく配置。

あとは、沢山収納出来るようにウォークインクローゼットもつけてみた。

残り2つは今後のことを考えて作った予備の部屋だから、用途が出来るまではとりあえずそのままにしておこう。

最後に家全体の床を木目が綺麗なウォルナット調に変更したら…とりあえず完成!

ちなみに創造した設備や製品は、全部魔道具に自動変換されて異世界仕様になっていた。


「結構スキルを使って疲れたけど、なかなか良い感じに出来た気がする。」


自分好みの家が完成して大満足の私は、外にいる暁を呼んで早速完成した家を披露する。


『すごいすごい!こんなお家はじめて見た!』

「そっか。神域にある稲荷神社(前のお家)とは全然雰囲気違うもんね。」


初めて見る洋風な建物に暁は目を輝かせる。

家の中を案内すると、さらに興奮した様子でキョロキョロと視線を動かしていた。


「そういえば食器とか日用品はまだ用意出来てないんだよね…ネットで買えたら便利なのに。」


そう思った私は、一応テルース様にネットで買い物が出来ないか確認してみる。

メールを送ってみると、すぐにテルース様から「使えるようにしておいた。」と返信が返ってきた。

しかも、私の貯金をこの世界の通貨に変えて使えるようにしてくれたらしい。

そのおかげで私は暫くお金の心配もしなくてよくなった。…神様って本当にすごい。


早速買い物をすることにした私は、ネットで元の世界でも愛用していたKumazonのページを開く。

そして食器、調理器具、洗剤やシャンプーなどの日用品をカートに入れてお会計ボタンを押す。

すると、目の前に見慣れたダンボールが現れた。

どうやらネットで買った商品は、元の世界と同じようにダンボールに入った状態で届くらしい。


「…それならお金もあるし、ついでに服とか色々買ってもいいかも。」


こうして買い物に火が付いてしまった私は色々なサイトで洋服や化粧品、食材や調味料を買い漁り、気づいた時にはリビングにダンボールの山を作っていた。

その後、買ったものを整理するのに時間がかかってしまったことについては言うまでもないだろう。

前のお話で誤字を報告頂いた方、ありがとうございます(;'∀')

投稿前に軽く確認しているんですが見逃していたようです…

とても助かりました!!

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