【85】 騎士の真価
外に連れ出される俺。
未だに状況を把握できない。なにが起きた。
お洒落をしているソレイユに連行されて……
デート?
俺が? どうして?
セイフの街を二人で歩いていくと――街の人たちにガン見された。ほとんどが振り向いている。目立つな、ソレイユが!
「まて、ソレイユ。男たちがお前を見ているぞ。
……おかしい、お前はモテないんじゃなかったのかよ。どう見ても集中砲火だ。俺が隣にいるというのに男たちがお構いなしに寄ってきて、ソレイユをナンパしてんだけど!」
「ソレイユ様ではありませんか! 僕とデートを……」「おお、帝国の騎士様! 大変お美しい」「帝国のエクリプス家!? こんな田舎に? ウソだろ!」「うわぁ、ソレイユ様の桃色の髪、艶すげぇ。良い匂いしそう」「隣の男は誰だぁ?」「最近噂のカイトさんでしょ」「それじゃあ仕方ないか」
なにが仕方ないんだ!?
それにしても――ソレイユってこんな有名人だったのか。そりゃそうか。『帝国の騎士』にして、ワンマンアーミーだ。しかも【エクリプス家】といえば俺でも知ってる『大貴族』だぞ。よくよく考えれば、そんなハイスペック女子がモテないわけがない。
俺は今までソレイユと二人きりで出かける、なんて機会はなかった。だから知る事もなかった。……ああ、そうか。
ソレイユの本当の真価に気付くべきだった。
彼女は、本来なら俺なんかと接点なんてあるはずのない、誉れ高き騎士なんだ。そんな皆が欲しがる彼女とこうして二人きりで歩いている。それ自体、奇跡なんだ。
「なあ……ソレイユ」
「カイト。もっとくっついて」
ぎゅっとされた。
……うわっ、割と感触が!!
ま、まあ……男たちの注目の的になるソレイユを独り占めできる優越感はあるな。言い換えれば、超人気アイドルが俺だけに振り向いてる無双状態。正直、これはクセになりそうだった。
「分かったよ、お前の言う通りにする」
「うんうん」
◆
到着した。
なぜかギルド【ニュートラル】に。
「はい?」




