61/318
【61】 胸騒ぎ
ダンジョン『シュタイン』を出ると、そこにはシャロウのメンバーの姿はなかった。
「あれ、いないぞー?」
辺りを見回しても影も形も無かった。
「あら……意識を取り戻されたのでしょうか」そうルナが心配そうにすると、「尻尾巻いて逃げ出したんじゃない?」と、ソレイユは髪(モミアゲ)を弄りながら言った。……まあ、逃げ出したんだろうな。
そう納得すると、服を引っ張られた。
ミーティアだ。
「どうした」
「カイト、街へ戻りましょう。……胸騒ぎがします」
「マジか。そうだな、門番がいなくなったのも気掛かりだし、セイフの街へ戻ろう」
俺たちは急いで戻ることにした。
◆
道中のモンスターは雑魚で助かる。
ほとんどをスルーして行き、かなり早いペースで街へたどり着いた。だが、日はすっかり沈み、辺りは真っ暗。
「……ダンジョンに篭もりすぎたか。――ん、街の様子が変だな」
静かすぎる。
こんな活気のない街ではなかったはず。
「カイト、これはいくらなんでも不気味すぎよ」
「ああ……空気が淀んでいる。ソレイユ、ルナとミーティアを守ってやってくれ。俺も守るけど」
「了解。――で、どうする。店へ向かう?」
「そうだな、ひとまず店の様子を見に行こう」




