【312】 狂戦士の爆炎スキル
【ギルファギニング】Lv.10(MaxLv.10)
【系列】攻撃
【習得条件】ホーリーブレイド
【効果】
対象:敵/広範囲レンジ
聖騎士専用。
ハンマー系武器限定スキル。
漆黒の烈風を起こし、敵に魔法ダメージを与える。対象は強烈なノックバックを受け、状態異常【スタン】になる。
「――――ッ!」
ガラテイアは冷静ながらもバーサーク状態へ移行。
宝剣ルナティックを華麗に振るい、ソレイユのギルファギニングを打ち返す。――って、マジかよ!
「そうきたか。でも!」
それでもソレイユは諦めず、聖剣マレットを地面に叩きつけていた。その反動を利用して宙へ舞っていたんだ。
な、なんて大胆な。アイツ、スカート短いの忘れてないか!
「海人様、見てはいけませんっ!」
俺の両目を両手で覆うルナ。ちょ、なにも見えねえッ。
おまけにミーティアも俺に密着していた。いや、密着する意味……。
「もう大丈夫だろう」
「そ、そうですね。ソレイユは、今かなり上空です」
ルナは手を放してくれた。
顔を上げると、そこにはソレイユの姿が。かなり高いな。
逆にガラテイアは地に降り立ち、赤青のオーラをまとっていた。あれはバーサークの効果で間違いない。
更に、宝剣ルナティックを構えていた。
俺の剣なのになぁ……。
なんとか取り戻したいところだが、今はソレイユを応援するしかない。
「なるほど。これが聖騎士の力か」
至って冷静のガラテイアは、宝剣ルナティックに魔力を込めていた。……なにをする気だ?
一方でソレイユは必殺の兆候を見せていた。ま、まさかここで“アレ”をぶちかますのか……! さすがに闘技場がぶっ壊れる気がするが!
「あんたの負けよ、ガラテイア!」
「いいえ、私は必ず勝利する。それが父との約束……だから」
宝剣ルナティックが赤く燃え始めていた。な、なんだありゃ!
あんな機能はなかったはず。
ということは、ガラテイア自身のスキルか。
「まずいよ……ガラテイアの魔力が高まっているじゃん!」
俺の隣で慌てるミーティア。ダークエルフであるコイツが慌てるくらいだ、相当ヤベェな。
「ソレイユ! 避けろ!」
「…………」
俺は大声を出して危険を知らせるが、ソレイユには届かない。高すぎるんだ。
そうこうしている間にも、ガラテイアはスキルを放った。
「クリムゾンブレイク!」
爆炎の嵐が宝剣ルナティックの刃から放たれ、凄まじい勢いでソレイユへ向かっていく。
けれど――、同時にソレイユも聖剣マレットを本気で振るっていた。強振というか、全力だ!
ま、まさか!
「ガグンラーズ!!」
一瞬で衝突するガラテイアの赤い炎、そしてソレイユの火・水・風・地の属性魔法。
当然、属性という面でおいてソレイユの方が勝っていた。しかし、バーサークの影響なのかクリムゾンブレイクの火力を倍増させていた。
いかん、飲まれるぞ!!
こうなったら少々卑怯かもしれないが、ガラテイアのレベルを奪うしかない。
俺は『レベル売買』スキルを使い、ガラテイアのレベルを確認した。
…………!?
アイツ……“レベル0”だと…………!?
そんなことがあるのか……!




