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【28】 働く魔法使い
俺はミーティアに条件を出した。
「いいか、ミーティア。分かっていると思うけど、2億はとても大きい額だ。普通の冒険者でもそこまで稼ぐ者はそうはいない。指で数えるほどだろう」
「はい……」
「だから、キミにはこの店で働いてもらう。そうすることで俺に借金を返済していくんだ」
「え……働く?」
「そう、労働だ。いいかい、お金というのはね、朝から晩までキッチリ働いて――――」
「ストップです、カイト様」
あ、止められた。
まずは労働のなんたるか、基礎を叩きこもうと思ったのだがな。まあ、堅苦しいのもなんだし、もっと肩の力を抜こう。
「~~~すぅ、よし。ミーティア、まずは家事を手伝ってくれ。地道にやってくれればいい」
「わ、分かりました! 借金返済のために、がんばりますっ」
ということで――魔法使いでエルフの『ミーティア』が仲間に入った。
人数は多い方が良い。
幸い、空き部屋もたくさんあるし。
「これで良かったんだろう、ルナ」
「はい、わたしからも本当にありがとうございます。カイト様。これから宜しくお願いしますね、ミーティアちゃん」
「宜しくお願いします!」
俺はルナから顔を背けた。そんな眩しい笑顔を向けられては、何も言えなかった。




