【21】 店オープン初日
一日目。
さっそく店をオープンした。
レベルを売買するだけなので、客室だけあれば十分だった。あとお茶くらいか。まあ、それはルナが用意してくれる。うん、思えば、ルナがいて良かった。彼女はメイド兼秘書だな。
「?」
不思議そうにルナは首を傾げた。
おっと、見惚れている場合じゃないな。
――――しかし。
残念ながらこの日の客はゼロ。
二日目。
大雨が降り悪天候。客ゼロ。
三日目。
客室で待つも、誰もくる気配はない。
閑古鳥が鳴いていた。
まずい、このままでは廃業か。
「カイト様。焦りは禁物ですよ。一度落ち着いてこのお紅茶をお飲みになって下さいませ。はい、どうぞ」
「いただく。……うん、良い香り。それに美味い」
そうだな、冷静になろう。
廃業にはまだ早い。まだ三日目なのだ。しかし、何がいけないのだろう。宣伝が足りないとか、口コミで広める必要があるか?
そうだな、少なくとも噂は広める必要があるかもしれない。
「ああ、そうです!」
なにか思いついたのか、ルナは軽く手を叩いた。
「? どした、ルナ」
「呼び込みですよ。前に消耗品を売られているアイテム屋さんがですね、セールと題して呼び込みをしていたのを見たことあるのです。それをやられては如何でしょうか」
<ピコーン!!>




