【16】 女騎士の借金
「――――て、あんた、どこ見てるのよ!」
ソレイユは手で胸元を隠した。
顔を真っ赤にし、恥ずかしそうに。
「いや……なんでも」
「く……!」
そんな俺を睨まれても、大きくはならんぞ。
「と、とにかく……あたしのレベルを買い取ってちょうだい」
「それはいいけどさ、いくつ売るつもりだ?」
「じゃあ『Lv.2000』分をお願い」
「2000!? ……多すぎるだろ。いや、買い取れるけど、そんなに売ってまで金が欲しいのか」
「ええ、実は……わたし、男遊びしすぎちゃって……借金がたくさん。だから返済に追われていてさぁ……」
「はぁ――?」
どうやらこのソレイユは、中々なビッチらしい。てか、だらしねぇ~。
「ちょっと、カイト! あんた、今すっごく失礼なこと考えてなかった!? 言っておくけど、遊ぶつったって、ちょっとお酒を飲んだりくらいよ」
「へー」
「くっ……信じていないようね。仕方ないじゃない……この胸と性格? で、モテないんだもん……」
ぐすっとソレイユは涙目に。
あー…これは面倒臭い奴だ。
ま、確かにソレイユは性格に若干の難がありそうだ。あとあの胸な。ルナと比べると、本当に絶望的だな……うん。
「カイト~~~!!」
「いや、何も考えてないって」
「むぅ……。で、いくらになるの?」
「そうだな~。Lv.2000ともなると……少しオマケしても『15,000,000セル』ってところだな。それで良ければ買いとる」
「!!」
一気に笑顔になるソレイユは、握手を求めてきた。契約成立ね。