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150/317

【150】 レベル爆売れ

 みんなの力で、新生イルミネイトを改築していった。




【一週間後】




「お~し、こんなところだろう!」


 見違えるような立派な店が完成した。

 あれから、ヴァーミリオンから荷物を全て移動させ、おっちゃんとは別れた。随分とお世話になったな。


 それから、トニーの補助支援を受けて更なるパワーアップ。ついにイルミネイトがオープンとなった。



【一日目】


 誰の宣伝効果か分からんが、初日にして100人が殺到した。いきなり大忙しだ! 以前と変わらぬ対応で接客。無事終了。少し儲かった。



【二日目】


 噂が広まり、昨日の倍である200人が来客。

 良い調子だ!



【三日目】


 更に更に噂は広まり、500人ほどとレベル売買の取引をした。売り上げも伸び始めてきたぞ。しかし、ちょっと疲労が見えて来た。



【四日目】


 ついにイルミネイトの評判が加速。

 開店時(オープン)で、1000人が並んだ。

 ミーティアの顔色が悪い……マズイな。



【五日目】


 もはや、イルミネイトの存在は国中に知れ渡り、人々に『レベル売買といえば?』『イルミネイト』と店名が浸透するほどになった。子供でも知っていた。



【六日目】


 売り上げが5億を突破した。

 赤字をなんとか脱却しそうだ。

 ソレイユがやつれているような……。



【七日目】


 10000人が殺到してしまった――――って、(さば)けるワケねぇ~~~!!



 対応1000人辺りで、みんなぶっ倒れた。



 さすがに臨時休業した。俺もクタクタのボロボロだった。調子に乗りすぎて仕事しすぎたな……。



 休もう……。



 ・

 ・

 ・



 店を閉めて一日目。

 その間にもレベルと金を求めてくる冒険者は絶えなかった。冒険も勿論だが、金が必要な者、オービット戦争に備える者が多かった。



 中には中流貴族もいたほど。

 何度か貴族の令嬢に求婚されたが、全て断った。俺にはみんながいるからな。



「お疲れ様です。カイト様」



 五階の自室で休んでいると、疲労の色を滲ませるルナが紅茶を淹れてくれた。さすがの万能メイドのルナでも、今や生気は失われつつあった。こんな彼女を見るのは辛い。



「ごめんな、ルナ。みんなを働かせすぎた」

「いいえ、みんなイルミネイトの為に必死だったのです。ですが、熱中する余り自分たちの体調面を疎かにしすぎてしまいました。こればかりは、わたしも反省です」


「俺も猛省するよ。みんなには給料を奮発しないとな」


 ソレイユとミーティアは、自室でぶっ倒れている。多分、遊ぶ気力もないだろう。しばらくは休みだな。


「その……カイト様、少し気掛かりが」

「ん?」

「貴族のご令嬢から随分と求婚の申し入れがありましたよね」


 ぷくっと頬を膨らませ、顔を赤くするルナ。


「あー…いや、その、20人くらいからね」

「……」

「だ、大丈夫だよ。全部断ったから、ほらおいで」


 ルナを隣に座らせた。

 ちょっと怒ってるな。ちょっとだけ。


「冗談です」

「へ」

「ちょっと困らせたくなっちゃっただけなのです。まさか、カイト様があれほど人気だとは思わなくて……ちょっと焦ってしまったのかも」


「そうだったか。まあ、とにかく無事にイルミネイトが復活出来てよかったよ。この帝国なら、さすがに店も燃やされないだろうしな」


「ええ、帝国の騎士がいますから」


 紅茶を(すす)って、ルナはカップをテーブルに置いた。その絶妙なタイミングで、あの呼び出し鈴(チャイム)が鳴った。



「なんだー…休業の看板を見ていないのかよ」



 店の前には、まだかまだかと冒険者が居座っている事もある。どんだけレベルあるいは金が欲しいんだか。



「仕方ないな、行って来るよ」

「分かりました。わたしも」

「いや、ルナは休憩していてくれ。疲労困憊だろう」

「ですが……」


 なぜか紅茶を見つめるルナは、嫌な予感がした? のだろうか、やっぱり、ついてくるという。


「仕方ないな。一緒に一階へ行こう」

「ありがとうございます」

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