【14】 神頼み
倒れたルナを起こした。
「大丈夫か。ケガとかないか?」
「は、はい……カイト様が守ってくださったので」
「いや、俺は何も出来なかった……」
「いいえ、男たちに勇敢に立ち向かっておりました。わたしは、それをちゃんと見ていましたから。カイト様はご立派です」
そうなのかなぁ。
でも、俺にもう少し立ち向かえる力があったら。
「――で、ソレイユだっけ」
「そうよ」
突然現れた女騎士。
彼女は騎士という割には鎧を身に着けておらず、軽装。マントこそしているものの、短いスカートで絶対領域を大胆に露出。一応、ニーハイは穿いているがピッチリだ。胸こそ控えめだが、スタイル抜群。なんだか仕草も気品あるし、元々は良いとこのお嬢様だったのかな。
「君は何しに来たんだ?」
「あ……そうそう、ルナに用事があるのよ。お金貸してくれない!?」
手を合わせ、神頼みするソレイユ。
しかし、ルナは首を横に振った。
「そ、そんなぁ! 前は貸してくれたじゃない……」
「このお店を買ったので、もうお金がないんです」
「こ、このお店を? 買ったの!?」
「そうです。カイト様と商いを共にしていこうと。ですから、全てのレベルを売ってお金を作ったのです」
「え……レベルを売った? どういうこと?」
ソレイユは、俺とルナを交互に見た。
普通は『レベル売買』なんて聞かないわな。
「おほん。じゃ、俺が説明してやる」