巨大生物の・・・
「ある朝、目が覚めたらワタシは・・・」
有名な小説の冒頭部分です
果たして”ワタシ”は何になってしまったのか・・・
「はぁっ!!?!!」
ワタシは突然目覚めた!
ここはどこだ?何やら辺りは真っ暗で何故か息苦しい
待て待て、記憶を整理しよう
ワタシは マツキ・カズオ 会社員 34歳 うんうん
覚えてる、覚えてるぞ
毎日家と会社を行き来しているサラリーマン うんうん
彼女には縁が無いがフーゾクが大好きだ うんうん
毎日通うコンビニのバイトの子がカワイイ うんうん
スマホと連動させたPCでやってるネットゲームが目下の趣味だ うんうん
田舎の両親が早くケッコンしろって五月蠅い うんうん
素人ドウテイ・・ちゃうわ! うんうん
・・・
ま、まぁ・・・これくらい思い出せればいいか・・・うん
しかし、ここは何処なんだ?
辺りを見回してみる
ん・・・何か纏わりつく感じがする
視界が悪いのと息苦しいのはコレのせいか
ふむ・・・どうやら・・・ワタシは・・・
液体の中にいるらしいな!マジか!
こりゃイカン
寝てる間に風呂で溺れたか
風呂で寝てる間に溺れたか
・・・
何だと?意味不明だな・・・
とーにーかーくー
水の中では息が続かんな!
脱出ーーッ!
ワタシは全身に力を込めて
勢いよく起き上がろうともがいた
と
なかなか液体から脱出できなーい
それに
あんまり息苦しくも無い
何だろう?エラ呼吸でも出来る様になったのかな?
アホな事を考えながらカラダを動かしていると
どうやら上手い事、この液体の中を泳いでいけるようだ
ほうほう
ワタシ、泳ぎの才能があったのかしらん?
にしても
中々明るくならない
それどころか
液体の中で”何か”に思い切りぶつかってしまった
どごごむ
物凄い音がして”何か”が爆発したようだ
わぉ ゴメンなさいねぇーワザとじゃないのよ~
そんな言葉を心の中で唱えながら
ワタシは泳ぎ続けた
やや暫く経った頃
ようやく明るい水面?が見えてきた
おぉ パリの火よ!
何かの本で読んだセリフが口をつく
ざっばぁぁ
ふぅーーーー
水面に出た喜びを
思わず叫んでしまった
開けた視界には
どこかの街並みが見える
どうやら知らず知らずの内に
海沿いに沈んでいたようだ?
何故に海沿い?
不思議に思いつつ
岸辺に近づいていく
と
ちっちぇぇぇぇ
街並み、ちっちぇぇぇぇ
・・・
あぁ
そうか
ワタシ
どうやら
巨大生物になっていたようです
これはもしかして
今はやりの
転生モノとかいうヤツですかもしかして
・・・
何故に巨大生物?
少し落ち着いて
自分の姿をよく見ると
映画で見たような
ゴ〇ラに似とる
ふふふ
ならば
ワタシは無敵だな!
急にうれしくなって
大声で叫んだ
そして
るんるん気分で
眼下の街並みを蹴散らし
上陸して行くのであった
・・・
何か軍隊?の様なものが出て来て
ワタシに攻撃を加えてきたが
〇ジラであるワタシには
全く、効かない!
無敵、最強!
鼻歌交じりに
繁華街にそそり立つ
巨大な
ビルヂングを、ぶっ壊す
気分爽快!
そんなこんなで
日没が訪れ
ワタシは疲れ果てて
そのまま眠りについてしまった
・・・
はぅぁっーーーーーーー!!!?!!!
突然の痛みで目が覚めた
目を開けると
人間どもが
ワタシに何やら強力な攻撃を仕掛けたらしい
ワタシが寝てる間にーーーーー~~~~ッ
思わず怒りに任せて
暴れ回ってしまった
・・・
さてひと暴れしたら
何か”もよおして”きたな
うん
排泄がしたい
うん
・・・どうしよう
ワタシ胃腸が弱いもんで
長便所なんですよ
・・・どうしよう
こんな巨大なボディで
衆人環視の中で
排泄行為をするのは
如何なものか、というね
踏ん張ってる間に
ケツの穴に攻撃でもされたら
かなわんし
・・・
・・・戻るか
そんな訳で
ワタシは用を足すべく
元来た海へ帰ることにした
そして文字通り
用を足している時に
人間の兵器でケツの穴を狙われて
哀れ最期を迎えるのであったけどね
いや、残念、残念・・・
ホント、残念・・・
巨大生物の”シモ”の事情って
考えたら色々と疑問点が沸き上がってきますね
もしも私が攻撃部隊長なら迷わず
用足ししてる間に攻撃仕掛けます
”ひきょう”も”らっきょ”も無いもんで・・・