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加害者と被害者と凶器の異世界転移  作者: 前だけ弄ろうとします
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初めての戦い

≪地上への転移を実行しました≫


無機質なアナウンスと共に光に飲まれる2名と1台

眩い光が次第に収まり目を開ける

眼前に広がるのは淡く七色の光、その光は遠くにも見え近くにも見える


「なんだここー、地面無いぞー」


トラックの声を聴き加賀が窓を開け下をのぞき込む


「どういう原理か分かりませんが私たちは宙に浮いてるみたいです」


加賀の言葉に比嘉も窓を開け、四方に目を向ける


「光以外何にもない・・・ここが異世界・・・?地上に転移って話じゃなかったのか??」


≪あー、テステス。勇者達よ、我の声聞こえてる?≫


「!?」


突然の聞いた事のない声に驚く加賀と比嘉

そんな二人と対照的にトラックが慌てる事もなく声に応える


「神だなー、聞こえてるぞー」


≪オッケーオッケー、そっちの声もちゃんと聞こえてるわ≫


「神?この声って神様なの!?」


≪うむ、我こそが神である。比嘉、そして加賀よ我を崇め奉るがよい!!≫


「え!?あ!はい。比嘉です!えっと・・神様?えっと、はい、よろしくお願いします」


「加賀と申します。この度は私に贖罪の機会を与えて下さり感謝の念に堪えません」


「主も比嘉もそんな丁寧にしなくていいぞー、神もそんな嫌な喋り方やめろよなー」


「ト、ト、トラック!ダメじゃないか!神様にそんな事を言っては!」


本日3度目の血の気の引いた顔をしながら慌てて窘めるトラックの持ち主


≪えー、勇者はそんなにこの喋り方嫌なの?神って威厳が結構大事なもんなんだよ?≫


「そんなの知らないよー、嫌なものは嫌なのー」


「やめなさいトラック!申し訳ありません神様!トラックの・・整備?躾!そう、私のトラックへの躾が悪いのです!どうかお許しください!」


さらに顔を青ざめさせながら、トラックの躾という未知の言葉で謝罪する加賀


≪えーよ、えーよ。勇者も君達も我を助けてくれる恩人だし、神に威厳必要ない系なら我も普通に会話するほうが楽だし≫


「・・・え?いいんですか?神様なのに?」


神のあまりのフランクさに思わず素で問いかける比嘉


≪いやー、ぶっちゃけ悠久の時を崇められてると飽きるんだよね。でも最初っから威厳なしで喋ると神と信じてくんない人間って多いのよ。だから、威厳必要ない系の人達って確認できるまではあの喋り方なわけよ≫


「へー、人間って変なのー」


≪信仰心って厄介なんだよねー、勝手に神の概念を変えちゃって想像と違えば信じない人ってマジ多いんだよ。だから加賀もそんなに固くなんないで気楽にしなって。其方達は我の手伝いをしてくれる恩人なんだからさ≫


「はい、お許しを頂き感謝します。神様の手伝いを出来る事を光栄に思います」


幾分か落ち着きを取り戻した加賀だが、その喋り方はまだ固い

神は「加賀は性格がクソ真面目だな・・・」と思い、その喋り方についてこれ以上言及するのはやめた


≪それで、今回呼びかけたのは其方達の現在置かれてる状況と地上に関する説明しようと思ってね。まず其方達の現在の状況を説明すると、地上への転移中って感じ≫


「ワームホールとかそんな感じで、トラックからは下りないほうが良いですか?」


未だに得体のしれない空間に不安を抱き質問する比嘉


≪そうそう、それと似たような物と思ってええよ。そこは聖気で満ちた空間だから魔族には猛毒だけど、其方達にとっては無害だから。トラックから降りても宙に浮くだけだから死にはしないけど、離れ離れになるかもしれないから降りん方がいいね≫


無言でドアロックをかけ、窓を閉める加賀と比嘉


≪それと、この空間でやる事が一つある。それが加護の付与≫


「加護!!加護ってチート能力とかそういうやつですか!!」


明らかにテンションが上がり食い気味に叫ぶ比嘉

その変貌に驚く加賀


≪うーん・・・、チートっていうのが我はあんまり理解できんが便利な能力だとは思うよ≫


「きたきたきたー!それって選べる系ですか!?それとも特性に合わせて神様がくれるんですか!?それとも完全ランダム!!?」


≪いやいや、ここで与えられるのは「転移前の保有技術・知識から適切な加護に変換」の加護だけよ。他の加護は地上転移後に必要に応じて我が与えてあげる感じ。もう加護は付与されてるから内容を確認したいなら、確認したいと念じるか言葉に出せば確認でき


「ッステェイタスゥォオープン!!!」


あらん限りの絶叫で神の言葉を遮る比嘉

すると宙に半透明のウィンドウが現れる


比嘉 維士矢

種族:人間

年齢:16

職業:魔法使い(闇)

特性:臆病・中二病・異世界大好きっ子

<加護>

悪意感知:敵対感情、攻撃を事前察知

闇の記憶:過去の失態を思い出す毎に闇魔法強化

異世界通:異世界各地域の常識を理解

<特技/魔法>

ブラックメモリー:自身の記憶にある失態を思い出し闇魔法強化(小)

ダークダイアリー:自身の封印された失態を思い出し闇魔法強化(中)

イビルアカシックレコード:生涯の失態を全て思い出し闇魔法強化(大)

ネガティブレインボー:自身の全魔力を消費し極彩色の闇で対象を呑み込む、相手はなんか嫌な気分になる


「・・・ぉおぅ」


意気揚々と己のステータスを見て絶望した

比嘉は泣いた・・・むせび泣いた

戦力どころか足を引っ張る事しかできない能力

例え女神やお姫様のピンチに颯爽と現れても、生涯の失態を全て思い出し相手をなんか嫌な気分にしか出来ない自分の無力さに泣いた


「どうしたんですか!比嘉君?」


「加賀さん・・・僕ゴミだったよ、リサイクル不可の粗大ゴミだったよ・・・、燃えるゴミじゃないのに燃え尽きたよ・・・」


「神様!比嘉君がなんか変です!!一体何があったんですか!?」


≪んーと、初期加護が気に入らなかったのかな?後から必要な加護は追加されるからそんなに悲観せんでも大丈夫よ≫


「いや、まじゴミなんす自分・・・異世界でフィーバーできるって何の根拠もなく自惚れてたんす自分・・・」


「比嘉ぁー、元気出してー」


「今までありがとうな・・・トラック・加賀さん、ゴミ捨て場に連れてってくれ・・・」


「そんな事言わないでください、比嘉君!何があろうとも私が必ず守ります!私達は3人で1組です。今は比嘉君自身が納得いかない能力しか無くとも、いずれ必ず強くなれるはずです!!」


「加賀さん・・・」


「トラックもがんばるぞー」


「トラック・・・、二人ともありがとう、なんか元気出てきたよ。そうだよね、僕、自分の事だけ考えてたよ・・・、迷惑かけると思うけど・・なんか・・・ありがとう!」


≪そうそう、まだ冒険始まってもないのにゴミ捨て場に行かれたら困るよ。それにほら、異世界通の能力とか冒険には必須じゃないか。必須能力が有るんだから君重要よ≫


「泣いちゃってなんかすみません、ちょっと衝撃的過ぎて。僕は僕にできる事を頑張ってみます。」


「その意気です、比嘉君。私も自分の能力を確認してみます。ステータスオープン・・・でしたっけ?」


加賀 偉志弥

種族:人間

年齢:23

職業:聖騎士

特性:クソ真面目・義勇・懇篤

<加護>

頑健たる信念:信念を伴う行動を行う限りステータス異常・即死無効

義の盾・勇の剣:義を持って友を守り、勇を持って友の敵を撃つ、その意思折れぬ限り全ステータスアップ(特大)

心底共鳴:嘘偽りの無い行動は、それを見る者の心底に正しく届く

<特技/魔法>

響くは納刀の音也:斬るという手順がない斬撃、本人の研ぎ澄まされた斬るという意志が斬った後の世界に改変する

死を拒絶せし魂:己の魂から死を遠ざけ、一定時間不死なる存在になる

死を告げる威圧:全ての敵の注目を自身に向ける、その威圧に触れた者はその存在から目を離せない

神酒の雨乞い:仲間全ての怪我疲労を回復し、魂でさえも呼び戻す




(英雄じゃん・・・チートじゃん・・・勇者じゃん・・・)


加賀のステータスを見ながら神酒の雨乞いが必要なほど魂の抜ける比嘉


「よし、これなら比嘉君とトラックを守ることができる!」


「トラックも見てみるー、ステータスオープン」



軽トラック

車種:キャブオーバー式

年齢:13(付喪神としては2か月)

職業:勇車

特性:固い、速い、力持ち

<加護>

フルメタルボディ:すごく硬く重い、まるで金属。というか金属。どんな攻撃もへっちゃら、オリハルコンが軽石みたい

レッツ光:あんまり速く走ると世界が蒸発するみたい、制限速度を守って走ろうね

積載量無限:いっぱい運べる、重い物も平気。魔法の力で宇宙丸ごと入っちゃうかも

<特技/魔法>

異世界転移アタック:思いっきりぶつかるよ、異世界まで跳ね飛ばしちゃうかも

メンテナンスフリー:主のしてくれたメンテナンスを覚えたよ、一瞬で治せるよ。ガソリンとかも魔力で生成!

安全運転:崖から落ちても、溶岩の中を走っても安全だよ、トラックの中はいつでも安全快適

どこまでも一緒:海も泳ぐし空も飛べるよ、宇宙?8世紀くらいなら旅行できるよ


「おー、何かすごそー」


「・・・」

「・・・」

≪・・・≫


あまりの能力に閉口する二人と一柱


「あの・・・神様?これ・・・大丈夫・・・なんですか?」


正気を若干取り戻した加賀が神に問いかける


≪え!?あ・・・うん、だいじょばないね、コレ・・・≫


あまりの事態に言語中枢を若干やられた神が返す


≪うん、その・・・あれだ、加減。そう!加減ね!勇者は全力出さずにやる感じでね?≫


「頑張っちゃいけないのかー?」


≪いや、ね?頑張るは頑張るんだけど、全力を出さない事を一番に頑張って、そのついでに世界を救う感じでね?≫


「えー・・・、難しいなー」


異世界の状況よりもこの軽トラックに不安を覚える二人と一柱

今からノーマルモードの魔王を倒しに行くはずが、PTにエクストラハードモードの裏ボスがいる状況

しかも無垢な感じがさらにヤバイ、魔王よりもトラックが怖い二人


≪あー、勇者の加減は加賀と比嘉にやって貰うとして・・・≫


「「ちょっ!!?」」


神の無責任な発言に思わず神に意見しようとする加賀と比嘉、抗議の雰囲気を一切無視し話を続ける


≪其方達が今から行く世界の名前はエルスリア、その中のアニルス公国って所に転移するから。そこの王様に魔王の倒し方とか諸々聞いて、そろそろその空間に穴が開くからそこを出ればアニルス公国だから!後は勇者の加減を第一に、第一に!行動して世界を良い感じに救ってね!!さらば!!≫


「おい、待て神!逃げんな!加減ってどうすりゃいいんだよ!!!」


慌てて問いかける比嘉の言葉を聞かず、神は逃げた

神の声すら届かぬ静寂の中で加賀と比嘉は茫然としていた




~魔王城~


瘴気漂う空間

玉座を最奥に魔族が犇めき合う

魔族の眼光は皆鋭く、尋常ならざる頑強さが見て取れる

その中でも玉座に深々と座り目を閉ざしたままの存在

寝ているのではない、目を閉じたままでも分かる王の気質

その御姿は見る者全てに畏敬を抱かせる

その眼をゆっくりと開け、徐に立ち上がる


「時は来た!忌々しき神が我が悲願、そして我が同胞を滅っせんと異界の勇者を送り込んでくる!」


王の言葉が臣下達の瞳に殺意を漲らせる


「我が同胞よ!神の意に従うか?」


「「「従わぬ!王の悲願は我らが悲願!我らが悲願は王の悲願!」」」


「我が同胞よ!ならばどうする!」


「「「打ち滅ぼす!我等の悲願の障害は全て打ち滅ぼす!」」」


「よろしい・・・、魔導将軍!」


「御身の前に」


魔王の呼びかけに合わせ音もなく姿を現した存在

犇めき合う魔族の中にあっても、その存在感は群を抜いている

身に纏う威圧感はこの広い玉座の間で王に次いでいる


「勇者の同行は分かっているか?」


「現在は聖域と地上の狭間にある転移球の中に居り、転移先はアニルス公国であります」


「アニルスか・・・。神め、アニルスの聖剣を取りに行かせたか」


「その通りかと。我ら魔族は聖気なくては如何様にも再生できる故・・・、勇者がアニルスに転移するのならば我等もアニルスに全軍を持って攻め入るべきかと具申致します」


「甘い!甘いぞ!!魔道将軍!!全軍を持って転移球を我が城に誘導し落とせ!!勇者に一切の鍛錬や聖剣の装備を許すな!その上で我が直にその身を滅ぼしてくれる!!!」


「ぉお!!!承知いたしました。全軍我に続け!!」


「勇者よ。貴様は世界に一切の変化も成せずその身を散らすのだ・・・。クックックッ・・・ハーハッハッハッハッ!!!」





~転移球内~


「加賀さん・・・、マジどうしよう・・・」


「比嘉君・・・、マジどうしましょう・・・」


無責任な神の責を無理やり背負わされた二人


「二人ともどうしたー?元気ないなー」


「あのー、トラックさん。ゆっくり走るってできます・・・よね?」


とりあえずこの世界の絶対強者のトラックに下手に出て様子を伺う比嘉


「できるぞー、でも何でそんな喋り方なんだー?」


「比嘉君、気持ちは分かります。安心してくださいなんて簡単に言える事じゃないですが、私とこのトラックは長年の仲です。トラックの面倒は私が見ますから、比嘉君はいつも通りの比嘉君でいてください」


加賀は少し疲れた表情ではあるが、比嘉を心配させまいと笑顔で言った

比嘉は粗大ゴミのようなゴミ能力しか無い自分に対し、必ず守ると言ってくれた加賀の言葉を思い出していた

トラックは怖い、すげー怖い、魔王より怖い

だけど、それよりも加賀にだけ重責を背負わせてしまう事をよしとする自分が怖かった


「加賀さん、僕も上手くできるか分かりません。足を引っ張ることが多いかもしれないです。でも・・・手伝わせてくれませんか?僕たちは三人で一組じゃないですか」


「比嘉君!」


比嘉には何の責も無い、そもそもこの異常事態に巻き込んだのは紛れもなく自分だと加賀は思っている

高校生の比嘉がこんな不安な状況で、勇気を出してくれた思いに目頭が熱くなる加賀


「ありがとう比嘉君、二人ならきっと出来るさ。ありがとう・・・比嘉君」


「えー、三人だろー、トラックも頑張るぞー」


「トラックは頑張らなくていいんだって!」


「えー、なんでだー?」


比嘉の言葉に笑いあう加賀と比嘉

きっと出来る!

根拠は無いが、なぜかそう思える2人だった


「そういえば加賀さん、いつまでもトラックって呼ぶのもなんなんで、名前つけません?」


「おー、名前欲しいぞー!」


「名前ですか・・・考えたことも無かったですね、トラえもんとかどうです?」


「いや、それ、なんかヤバそうな名前な気がします・・・。軽トラックなら、ケイとかトラですかね?安直ですけど」


何故か嫌な予感のする名前を変えるように、他の案を出す比嘉


「良いですね。私ネーミングセンス無いんでその中から本人に選んでもらうのはどうでしょう?」


「おー、選んでいいのか?じゃあケイが良いぞー。元の世界でも時々そう呼ばれてたからなー」


「よし、じゃあケイに決定!加賀さんもいいですよね?」


「はい、良い名前だと思います。これからもよろしくね、ケイ」


「よーし、ケイに任せとけー」


「ん?」


比嘉が空間の異常に気付く、淡く七色の光に満たされた空間に一点の黒が滲んでいる

徐々にその黒の一点は広がっていく


「あれ見てください。もしかしてアニルス公国・・・でしたっけ、そこへの出口じゃないですか?」


ケイのタイヤに地面の感触がよみがえる


「おー、なんか地面に乗ったぞー」


空間内に亀裂が走り闇が溢れてくる


「なんか・・・、ヤバくないですかコレ」


比嘉が周囲の状況を見ながら加賀に問いかける


「とりあえず、あの穴に行きましょう。神様の言ってた通りならアニルス公国へ行けるはずです!」


亀裂が広がり闇が侵食してくる


「急ぎましょう!ケイ、出発だ!」


「よーし!いくぞー!」


七色の光の空間はどんどん闇に侵食され、その闇をケイは華麗に避けつつ穴を抜けた!




~魔王城郊外~


眩い光を放ち王城の郊外に静かに降りてくる転移球

魔王が魔力を迸らせ、眼前の転移球を睨みつける

発する魔力が渦を巻き周囲に暴風を生む、その身に着けるマントが激しく波を打つ

転移球と魔王から距離を置き魔族が取り囲む

転移球という魔力の塊を誘導する激務をこなし、疲労困憊の魔族だがその姿勢は直立不動であった

我等が偉大な魔王が天敵とも言える勇者と戦うのだ、我らが王に敗は無しと確信はある

しかし、我らが王は我らの為に天敵と戦うのだ、疲れ息を乱し姿勢を崩した姿で見るのは不敬だと誰も言わぬが感じている


魔王の周囲に幾千もの小型魔法陣が展開され、各々の魔法陣が連結を始める

全ての魔法陣が合わさり一つの巨大な魔法陣となる、各々の魔法陣が歯車のように回転し始め地を揺らす

郊外に転移球を誘導したのはこの魔法の威力にある

魔王城など一瞬で消滅する魔力が秘められた魔王の最大魔法ー無の咆哮ー、勇者に対して一切の容赦はない



転移球が地面に触れる



その姿が見えた瞬間に跡形もなく消し飛ばす!魔王の瞳が確固たる殺意に満たされる


転移球に亀裂が入る


転移球から聖気が漏れるが、魔力の生んだ大気の奔流が聖気を空に散らす


震える大地、城を吹き飛ばす程の魔力、一吸いすれば死もありうる聖気を含んだ大気

しかし、逃げ出す魔族はおろか目をそらす魔族すら一人もいない

我等が王の姿を一時も逃さぬと、息を止め瞬きすら忘れている


転移球の亀裂が大きくなり、転移球が割れ


「消え去れ勇者ぁぁああ!」


魔法陣から闇が迸り聖気すら飲み込み、転移球を蝕んでいく


「うぉぉぉおおおおおおお!!!」


魔王は一切の油断をせず魔法陣に魔力を注ぎ込む


「うぉぉぉおおおおおおお!!!」


転移球が粉々に崩れ去り





「あぶないー、どいてー」


「うぉぉばらぁ!!!」




ケイに跳ね飛ばされ魔王が天高く打ち上げられ星になる



ケイの初白星である

面白いとの意見を頂けたので続きを書いてみました

お一人でも続きを望まれる方が居ましたら書き続けたいと思います

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