あのころ、たしか
それなら100通りは話せることなのに
恋の話題になると
途端に
話すことが見つからない
味つけが薄いなぁと思う料理を
濃くすることは簡単
調味料を手当たり次第に
探し出して
その中から自分好みのものを
加えればいいということ
だけど、
その逆は
とても難しいこと
恋には自分以外のライバルの他に
見えない敵が
たくさんいる
それをどこで気づくのか
いつ気づくのか
でも、いざ気づくことになったら
僕はたぶん、あきらめてしまうのだろう
そして、残念ながら
自分にだけ
さみしさを抱え込んでしまう
君に会いにゆく
僕はひたすら
なにかを求めてゆく
たぶん、それが
正しいものと気づいていなくても
たとえ、間違っていたとしても
僕は君次第
君ばかりにこころを
奪われている
あのころ、を思い出したら
君以外に何を思い浮かべるんだろう
それは僕にとって
良いことなんだろうか
あのころのことを
たしか、と思えるのは
自分に自信があるときじゃないと
難しいのかもしれないね