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重要な情報は意外と近くにある

 次の日、坂城さんが無事だってわかって油断したのか、遅刻寸前で出勤してしまった。


「おはようございます。遅くなってすみません」


「ああ、おはよう東条君」

 影野さんが答えてくれた。


 あれ?班長と荒木さんがいない。

 二人のスケジュールボードに『会議』とあるけど、何があったんだ?


「影野さん、今日って定例会議の日じゃないですよね?何かあったんですか?」


 なんと、昨夜魔女の弟子が見つかったらしい。


 は?手がかりないんじゃなかったのか。

 見つかるときはあっさり見つかるもんなんだなぁ。


「そうだね。本部の人たちが頑張ったんじゃないのかな」


「でも、何で班長たちが会議に呼ばれるんです?弟子が見つかったって全職員にメールしたらすむ話じゃないですか」


 影野さんと二人で首をかしげる。


「まぁ、詳しい話は二人が帰ってきてから聞くとして、お仕事しようか。坂城君が犠牲になって捕まえた彼もまだ引き渡し処理ができていなしわけだし」


 引き渡しに関する書類を作成して、あちら側の担当者と話をする。

 照合をしてもらっているうちに坂城さんの労災について申請しておく。


 一応職務上でのケガなので労災がおりるらしい。


 そうこうしているうちに、班長と荒木さんが帰ってきた。


 何か、荒木さん疲れた顔してませんか。班長はすごい機嫌がいいみたいだけど。


「魔女の弟子との交渉はウチがすることになったから」


 えっ?なんで?



「どういうことですか、班長。なぜウチで交渉をすることになったのですか」


 無表情が常の影野さんが慌てている。

 そうだよね。意味わかんないですよね。


 まあまあ、と言いながら班長はみんなを応接セットの方へ座らせた。


「実はね。魔女の弟子ってさ、坂城君の妹さんなんだよね」


 ……なんて言ったこの人。


「ほら、総務の人が10年くらい前に魔女の弟子と刀の売買について話をしたって言ってたでしょ。あれ結局、その弟子の方で引き取ることになってさ。で、所有者から何か分からないかって登録証調べたら、坂城君の妹さんの名前だったんだよ」


 その方法、僕が思いついたことじゃねぇか。

 やっぱり、本部の人も思いついてたのかよ。


「坂城君の妹……。昨日会えませんでしたからね。東条君と荒木君は会ったのですよね。どんな人でしたか」


 影野さんに尋ねられて、思わず荒木さんの方を見てしまう。


 どんな人って、可愛いけどバリバリ関西弁しゃべる人としか……。


「はいはい。影野さんが心配するのも分かるけど、彼女は大丈夫だから」


 葛西班長が手をたたきながらニコニコしている。

 そういや、班長なんでこんなに機嫌がいいんだ?


「班長、いくら坂城君の妹だとしても、魔女の弟子です。少しは警戒したほうがよいかと」


「大丈夫、大丈夫。周子ちゃんは僕の恋人だから」


 はっ?班長って恋人いたの?


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