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総務のお姉さまは最強ですよ

 事務員の方が辞めたことを葛西班長は知らなかったようで、西課長に圧をかけて問い詰め始めた。


「葛西班長、僕は大丈夫です。ウチと本部とで事務の処理方法が違うわけでもないですし。いざとなったら総務のお姉さま方に泣きつきますから」


 慌てて、葛西班長に声を掛ける僕。


 えっと、葛西班長。怒ってくださるのはありがたいのですが、西課長の方が役職は上ですよ。課長にそんなに圧をかけていいんですか?班長の立場が悪くなりますよ。抑えてください。



「おお。東条、お前総務のお姉さま方と知り合いなのか。すごいな」

「まじか。あのお姉さま方とか」


 都築さんと岩城さんが驚いているけど、電話でよくやりとりしてたから知ってるだけだよ。実際に会ったのは今日が初めてだったし。


 藤村さんと相馬さんは何か固まってるけど大丈夫ですか?そんなに総務のお姉さま方が怖いんですか。


 僕たちが総務のお姉さま方の話で盛り上がっていると、西課長との話し合いが終わった葛西班長がやってきた。


「東条君、君はできる子だから心配はしていないけど、何かあったら俺に言いなさいよ」


 そう言って、僕の頭をぐしゃぐしゃなでる班長。だから、戦闘職のあなたになでられると僕の頭髪が。


 あと、子ってなんですか子って。


 じゃあ、東条君をよろしくねーと言って部屋から出ていく班長。




「えっと、じゃあさっそくで悪いんだけど東条君。これ処理してもらってもいいかな」

 そう言って、西課長から渡されたのは大量の経費精算書類と申請書、各部署への調整関係資料がぐちゃぐちゃに混ざって入っている箱。


 ……事務の人が退職したのって先週ですよね。なんでこんなに書類が溜まっているんですか。あと、これ自分で作成しないといけない報告書関係もあるじゃないですか。


 これ何で紙で出してんの?PCで電子申請するやつがほとんどでしょ。


 僕がそう言ってみんなを見ると全員から目をそらされた。


 目ぇ、そらしてんじゃないですよ。この書類の山、葛西班長がいた時にはなかったですよね。何でこんなことになってるんですか。


 僕が問い質すと、西課長が言いにくそうに、実は何故か事務員が3人とも一斉に辞めたんだよねー、おめでたは一人だけだったんだけどねー、と言った。


 何だそれ。そんなにここで働きたくなかったのか。あの書類の山を考えるとちょっと分かるけどさ。それにしても、普通は次の人員が決まって引継ぎをしてから辞めるだろ。



 まぁ、いない人のことを言っても仕方ないか。


「じゃあ、今から僕が処理するものとみなさんが自分でするものとに分けます。あとで、みなさんの分はお渡しするんでちゃんと処理してくださいね」


 さっさとこれを片付けようっと。この様子じゃ、まだまだ隠し持ってそうだもんな西課長。


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