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本部送りになりました

 さすがに明日だと色々準備が間に合わないということで、週明けから本部に行くことになった。


 まぁ、本部の寮に一時的に住まわせてもらえることになったから、本当はあんまり準備することもなかったんだけどね。


 坂城さんが復帰してすぐに僕がいなくなるのも申し訳ないけど、上からの命令だから仕方ないか。


 この近畿第2部の敷地から本部まで、異形対応軍専用の転移装置を使って行くことになっている。僕みたいな内勤の事務従事者は使う機会がないから、実はちょっと楽しみだったりする。


 「東条君、準備できたよ」

  葛西班長に声をかけられて、転移室へと向かう。


  あれ?外に出ましたよ。


「転移装置は馬鹿でかいから、ここでは外の倉庫に置いてるんだよね。まぁ、出動時場所によってはこれを使ったりするから、装備車とか出入りできるこういう広い場所の方が都合がいいっていうのもあるけど」


「頑張ってね、東条君」

「本部のヤツラに迷惑かけんじゃねぇぞ、東条」

「気をつけていってらっしゃい、東条君」


 坂城さん、荒木さん、影野さんにいってきますと返事をして倉庫の中にある転移室に班長と一緒に入った。


「僕、転移装置って初めて使うんですよね。何か緊張します」

「そう、でも緊張しているところ悪いんだけど、本部に着いたよ」


 えっ?今部屋に入ったばかりですよ。


「あれね、ドアに仕掛けがあってくぐると指定した先に着くようになってるの」


 それって、漫画の世界の話じゃないの?

 そう尋ねる僕に技術課ががんばったんじゃないのと、班長が興味なさそうな声で答えた。


「さぁ、本部のお偉いさんに挨拶に行くよ」


 スタスタと歩いていく葛西班長の後ろを慌ててついていく。

 待ってくださいよ、班長。


 ウチと同じように本部も外に転移装置を置いているんだな。倉庫みたいな場所を出ると、だだっ広い敷地の中央にガラス張りのでかい建物があった。

 えーと、ここって都会ど真ん中だよな。さすが本部。


 葛西班長について色々な場所に挨拶に回る。偉い人って何でみんな同じような顔してるんだろう……。




「で、ここが俺たち特殊第3課のトップがいるところだよ」

 班長がそう言ってドアを開けると、部屋にいた人たちが一斉に銃口を向けてきた。


 なんでっ?


「はいはい、みんなそんな物騒なモノはしまってねー。東条君は事務員だからそんな試すようなことしちゃダメだよ」


 僕を後ろにかばい、部屋の中に向かって銃を構えながら班長が軽い調子で言う。


「早くしまわないと、全員撃っちゃうよー」

 目が笑っていない班長に睨まれて、部屋にいた人たちは銃を下げた。

 何か一人だけ下げてないけど。


 僕が呆然としていると、班長に自己紹介してと言われた。


「近畿第2部1課第5班所属の東条公彦です。1か月間よろしく願い致します」

 班長の後ろからでて、頭を下げて挨拶をした。


 班長、僕はこんなとこで1か月もやっていけませんよ。


 心の中でなみだを流していると、一番奥の机に座っていた人が手を振っていた。


「はい、よろしくね。いやー、魔女のご指名っていうからさ、みんなどんな人物が来るかと思っててさー。ちょっと警戒してたんだ。みんな悪気はなかったんだよ、葛西君」


「そうなんですか、西課長。でも、事務員が行くって話はしていましたよね。それでこの歓迎ですか。あと、謝るのなら東条君にしてください」


 銃を構えたまま奥に向かって声を掛ける班長。

 ごめんねー、東条君と軽く言う西課長。

 課長、葛西班長に銃を向けられてますがいいんですか?


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