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詩のようなもの  作者: さきち
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深淵 施設

深淵


見たくないものを見ずに

知りたい事しか知らない

それを盲目と言うならば

それが罪深い事だと知っていながら

それを求める私はやはり臆病者なのだろう


綺麗なものしか見たくない

優しいものしか欲しくない

傷付くのが怖いから


だけれど、それしか知らない人生はきっと味気なくて

痛みと隣り合わせの優しさと

醜さと隣り合わせの美しいもの

そのどれも、欠けてはいけないのだろう

歪な形はきっと不自然な世界で、完璧さには程遠い

完璧な世界ってどんなもの?


いくら遮断しようとしても

ついて回る悲しみと痛み

愚かさ醜さ


全ての感情を水に溶かして

掻き混ぜて心の湖に沈めて仕舞えばいい

上澄みの綺麗な部分だけを見せて

下にヘドロの様に溜まった、痛み伴う想い出と醜さを

時々覗いては、自分の愚かさを知る


だけれど、愚かさと痛みが

私を優しくするのだとしたら

それを悪いものだと

どうして切り捨てられようか


もしも誰かの深淵を覗きたいと思ったならば

それ相応の覚悟をせよと

私は言いたい

もちろん自分自身にも



施設


自分が生まれる前からそこにあって、

それが当たり前で

ずっと気付かなかったんだ

そこで、亡くなる人もいるのだと


彼らを守る為の施設が、

鳥籠の様になっているのではないのか?

隔離して見ないフリをする為に


日課の散歩は、ただ足腰を弱らせない様にしているだけの、

こちらの都合じゃあるまいか?

行きたくないなら行かなくて良いって

言ってもらえてるのだろうか?


彼らは幸せ?

その尊厳は?

人としての尊厳を守れているのだろうか?

何処にでも行ける権利が、

彼らにあるのだろうか…

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