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始まりの話

部屋を埋め尽くしていたマナの光は収束し始めた。

激しく輝く光は生贄に捧げられた少年の前に集まり人型を成す。


そして光が収まった後にはストレートの黒髪ロングヘヤーの少女が出現した。

目鼻立ちははっきりしており色白で透き通るような肌をしている。

白いカーディガンに黒いスカートとこげ茶色のコクーンコートを着ていた。


突然巻き起こったあまりの出来事に少年は目を離すことが出来なかった。

少年が見守る中、その少女の目がゆっくりと開かれる。


開いた少女の目が少年の目と見つめ合う。


「対象を確認。マスター登録を開始します・・・マスター登録を完了しました。」


「私は生体アンドロイド、アウロラ。マスター指示をお願いします。」

アウロラと言うアンドロイドは少年に対し跪くと涼やかな声でそう言った。


「指示?君はいったい?」


「うひょう。素晴らしい。サウノスよ、よくやった。」

ロックと言われた男は手を叩きながらサウノスを高く評価した。


「ロック陛下、お待ちください。生贄がまだ生きております。

術式に何か問題があったのかもしれません。」


「生きているのが問題なのか?ならばアレに命令すればよいでは無いか?」

と、ロックは魔法陣の中に出現した少女を指さした。


「さすれば、あのものがどの様な力を持つのか判ろう。」


「おお、陛下の慧眼、恐れ入ります。」

そう言うとサイノスは少女に向かい


「そこのお前、その隣の男を殺せ!」


その言葉に少年は恐れおののく。

「い、いやだ。僕は死にたくない。助けて。誰か助けて!」


「ACCEPT」


「命令を受諾(ACCEPT)しました。」


「これよりマスターの敵を排除します。」


アウロラはすっと立ち上がると魔法陣の外に立つ二人の醜悪な男を睨みつける。


「な、何じゃその目は手向かうか!!サイノス!!」


「はっ!ロック陛下お任せあれ。」

サイノスは杖をアウロラに向けると強制呪言コマンドワードを唱える。

それと同時に魔法陣の文字が光を帯びる。


「控えよ!女。跪け!」


「!!!強制言語を確認!


解析します・・・・・解析完了、


強制言語の解除を行います・・・・・解除完了。」


アウロラの解除完了の合図と共に魔法陣の文字が消し飛ぶ。


「なん、だと!」

サイノスは魔法陣の文字が消し飛んだことに動揺する。

だが、彼は王宮に仕える魔法使いである。

即座に呪文の詠唱を始めたのは流石だといえよう。

だがこの場合は悪手であった。


「攻勢言語を確認。」


「マスター周辺に被害の可能性大、障害を排除します。」


「排除にあたって武器および戦闘装甲使用の承認を願います、マスター。」

アウロラの圧倒的と言える気配に思わず頷く少年。


「承認確認。戦闘装甲展開します。」


アウロラの周りに輝く金属の板が舞い踊り、鎧を形作ってゆく。


「戦闘装甲、ヴァルキュリアタイプ、ブリュンヒルド、着装。」


アウロラは白銀の鎧に身を包み白銀の盾と長い棒のような物を持っていた。



「フレームストライク!」

アウロラへ詠唱が完了したサイノスの呪文が飛ぶ。


パァン!!


サイノスの呪文はアウロラの盾により弾かれてしまった。


「バカな!呪文を弾くだと!!」


「これより敵を排除します。」

アウロラはそう宣言すると長い棒の様な物をサイノスに向けた。


ギュンギュギュンギューン


長い棒の様な物から出た無数の光弾がサイノスやその後ろにいたロックを貫き消し炭に替えて行く。


「生体活動の停止を確認。殲滅完了。」


アウロラは鎧姿から元の姿に戻り少年の方へ向き直る。


「マスターご指示を。」


「マスターって・・・何?」


「マスターとは私がお仕えするべき絶対命令権を持つ人物のことを指します。

この場合はあなた様の事です。」


「僕が?でもマスターと言うのはなぁ・・・」


「では、どう呼びましょうか?」


「レオ、レオポルドを省略して、レオと呼んでください。」


これは生贄にされかかった少年レオと科学の粋を結集したアンドロイド、アウロラとの冒険の話である

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