プロローグその2
西暦20XX年
某独裁国家KC国の科学研究室。
ここで世界の技術の粋を集めたとあるモノが完成されようとしていた。
「書記長閣下!あとは閣下のデーターを登録するだけです。」
書記長と言われたでっぷりとした男はカプセルの中にある完成されつつあるものに近づいて行った。
「ぐふふふ。美しいのぉ。実にワシ好みである。まるで生きている様では無いか。」
「は、世界各国の技術の粋を集めました故」
「惜しむらくは我が国家の技術のみで作り上げたかったがな。」
「残念ながらわが国では基礎研究でJN国の足元にも及びませんので・・・。」
「まぁよい。技術など盗めばよいのだ。要はバレなければ良いのだよ。」
「全くその通りですな、ハッハッハッハッ」
それにつられ周りの研究者らしいものも笑う。
何度も技術を盗まれるJN国もどうかと思うが、KC国の考え方はこの民族特有の考え方らしい。
「では、閣下。その前にお立ち下さい。
もうすぐ目を開けますので、それと同時にマスター登録が開始されます。」
「わかった。これで良いのだな?」
「ぐふぇふぇふぇふぇ。目覚めたらたっぷりとかわいがってやるぞぅ。」
気持ちの悪い邪根笑い顔でカプセルの前に立つ。
その時、カプセルが眩いばかりの光に包まれた。
「ウォッ!目が!目が!」
「ぐはっ、眩しいい!目がつぶれる!!」
光が収まった後、カプセルの中には何もなかった。
周りには何も見えなくなった数人の者が居るだけだった。