о●第7話●о
「寮って……ここ…で、いいんだよな…?」
目の前に立ちはだかるのは無駄に大きい学生寮。
今日から寮生活をしなければならない俺は、まだ眠い目を擦りながら荷物を運んでいた。
「――杉倉、君…?」
不意に後ろから聞こえた可愛い声に、俺は振り向く。 多分、かなりニヤけているだろう。
「靖佳ちゃん!!」
「おはよう」
うはー。 癒されるぅ〜…。 何この子。 可愛すぎ!
「今日も大好きだマイハニーっ!」
なんて、意味不明な事を言って俺は彼女――…じゃなかった…、彼に抱き付いた。
―――途端。
「気安く靖佳に触ってんじゃねぇーっ!!」
げしっ
声と同時に脇腹を勢い良く蹴られる。
誰だよ! 何なんだよ! 地味に痛いんですけど!!
蹴られた所を押さえながら、蹴りが飛んで来た方向へと目を向ける。
「…いった……。誰だよお前…」
靖佳ちゃんの隣で腕を組む少年。 身長は俺や靖佳ちゃんより少し大きい。
「ご…、ごめんね杉倉君っ!この人、僕の双子のお兄ちゃんなの…っ」
はい? ふ た ご ??
「1年C組、木松靖都。よく覚えとけ!」
うっわ何この俺様キャラ。 すっげぇムカつくんですけど。
ってか靖佳ちゃんの双子の兄って……。 髪型以外全然似てないじゃん…。
「お前………杉倉波那だろ?」
「……だから何」
「靖佳と同室なんだって?」
「あぁ」
「コイツに手ェ出したら許さねぇからな」
――――うわぁ……。 変態の次はブラコンかよ…。
ブラコンBOY登場☆
波那の平和な高校生活は遠退いて行くばかり!?
第8話をお楽しみに〜!!