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о●第5話●о


「生徒会は学校の様々な事を管理しないといけないので、寮で生活する事を義務付けられているんですよ」

「ちなみに2人部屋だから」


笑顔で説明する藤川先輩と菅野先輩。

やっぱ2人部屋なんだー…。


「あの…、その部屋割りってもう決まってるんですか?」


尋ねると、先輩方は首を横に振った。

良かった…。 最低あと1年間は一緒に過ごさなきゃならねぇんだ。 勝手に決められてたまるか。

ましてやあの変態会長なんかと一緒になったりしたら………死ぬ。


「さすがにルームメイトまで勝手に決められませんからね」

「それは君達に任せるよ」


俺達に任せる…。 だったら―――……。


「靖佳ちゃん!俺と同じ部屋になろっ!?」

「えっ!?」


俺の急な申し出に、靖佳ちゃんは大きな目を更に大きく見開いた。

ま、当然だわな。 まだまともに口を利いた事さえない奴に、同室になってくれと言われれば。


「えっと……?」


おぉ、そういえば。 俺自己紹介してねぇじゃん。


「俺は1年A組の杉倉波那っ」

「あ、と…。ぼ、僕はD組の木松靖佳です…っ」


おろおろと自己紹介する靖佳ちゃん。 つか“僕”って……。 かーわーいーいーっ♪


「でっ。俺と同室、なってくれる?」

「波那〜?同室なら俺が―――…」

「黙れ変態会長」


誰が好き好んで変態と生活を共にするか。


「何で…僕なの……?」


両手を胸元で組み合わせて上目遣い。 いや、実際は俺と身長同じだから上目遣いではないんだけど。

上目遣いをしてるように見えるくらい目が大きい。 そして可愛い。(しつこい)


「何でって………靖佳ちゃんの可愛さに一目惚れしたから?」

「…はい?」

「靖佳ちゃんが息を切らしてここに来た時からもう俺は靖佳ちゃんの虜なの〜っ♪」


“何なら俺のお嫁さんになる?”とおどけた口調で言うと、靖佳ちゃんは更におろおろし出した。

冗談にも真面目な反応を示して来るなんて……、樹とは大違いだ。

な〜んて、楽しんでいたのに。


「姫。その台詞、なんか琉崎会長っぽいぞ」


ぞわっ


静の言葉に、全身に鳥肌がたった。 ふざけんな! あんな変態会長と同レベルなんて死んでも嫌だ!!

思いっ切り静に文句を言おうとしたけれど。


「おーい。そろそろ教室に戻った方がいいんじゃないの?」


菅野先輩からのもっともな言葉に、我に返る。 時計を見ると、もう30分程経っていた。


「うわ!?もうHRはじまってんじゃね!?」

「姫が無駄口叩くから!」


ぎゃあぎゃあ騒ぎながら生徒会室を出ようとして、ふと思い出す。


「そうだ!靖佳ちゃん!俺と同室になってくれる!?」

「え…、あ、うん…っ」


早口の俺の問いに、靖佳ちゃんは逡巡の後、相変わらず可愛く頷いた。

俺は、靖佳ちゃんが少し逡巡した意味をのちに知る事になる。




とりあえず、変態会長と同室に

ならなくて良かったね、波那……。

さて、靖佳が逡巡したのには

理由があった!!?

第6話をお楽しみに〜!!



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