序章
頭上から声がした。
だが語る者は見えない。
「元の場所にもどせ!」
「謝罪と賠償を求めるニダッ!」
抗議の叫びが聞こえるが、天の声は一方的に話すのみ。
どうやらこちらの声は聞こえていないようだ。
抗議の叫びは相変わらず続くが今の状況を知る手がかりは天の声のみ。
隆司は仕方なく天の声を聞くことにした。
天の声をまとめればこうだ。
1.今から自分たちが送られるところは滅亡の運命に近づいている異世界である。
2.このまま世界にが滅んでしまうが天の声は直接手が出せない。
3.そこで近くの世界の地球から力を持つ者を無作為に召喚。しかも周りを巻き込んで。
4.世界を救うのにもちろん無償ではなく報酬もある。報酬は自身の才能の開花してそのまま地球へ戻す。もちろん報酬は前払いで。
5.しかし滅んでしまえば道連れに。
大雑把にまとめるとこの5つである。
才能の開花?
隆司は報酬について疑問に思う。
才能は自身の努力で開花するものであり他社からの手引きで開花するものではない。
そう考えていた。
「君たちの才能を開花した。
わかりやすいよう纏めておいたから見る時は、ステータスっと唱えるとわかる。
では幸運を祈る。」
天の声はそういうと辺りは真っ白に染まるーー。
隆司「ん?ここはーー」
気づくと草原の真ん中で立っていた。