勇者召喚に巻き込まれた俺がすること
連載二作品とも少し展開に行き詰って書いてしまった。
反省も後悔もしていない!
さて、突然だが皆さんは異世界を信じるだろうか?
と、言うのも今の状況がクラスメイトの普段縁のない美男美女の3人組のリーダーの天野竜也と俺こと、荒川理人が名簿の一番と二番ということで一緒に日直をやり、帰りが遅くなった。
その後、傍から見ていても見ていても明らかに恋心を抱いている美女二人の神崎楓と御坂美麗が校門で竜也を待っており、必然的に俺は校門までは竜や一緒にいたわけで、3人が「わざわざ待ってたの?」とか甘い雰囲気を醸し出しているその横を通り過ぎようとした時だ。
3人足元に魔法陣的なものが浮かび上がり、近くにいた俺もその魔法陣の効果範囲内にいた。
そして気づいたら石でできた建物の中にいたので、現実逃避気味に疑問を投げかけてみたというわけだ。
自分で言うのもなんだが、俺は本当に凡人である。
成績、運動などは中の上、中の中といったところだろう。
あえて人より抜きん出た所があるとすれば料理ぐらいだ。
それも特別うまいわけではなく、料理のレパートリーはそれなりの自信を持つが肝心の腕の方は料理のうまい主婦レベル。
そして、何が言いたいかというと、勇者召喚とかに巻き込まれたな……。
それなりに小説や漫画を読むからほかにも巫女とかの違いとかも出てきたがそんなのはどうでもいい。
大事なのはこれから何をするかだ。
「おお、勇者様方よ」
目の前に出てきたおそらくはこの神殿? で一番偉いであろうおじいさんが出てくる。
美少女が神官長のは二次元だけだろう。
閑話休題
その後は完全なテンプレ。
特に何も話すことなく王様に面会し、勇者は俺以外の3人。
勇者には身体能力の強化と莫大な魔力。異世界人には自分の想像する力を手に入れることができるらしい。
勇者ではない俺は身体能力は元の世界のままで、魔力は十年修練を積み重ねれば宮廷魔術師になれる程度らしい。
異世界人としての能力は思いの強さだけ強い力が手に入る。
竜也は世界を守ると勇者としての能力が強化され、神崎は竜也の隣にと剣術が達人でも勝てないレベルに、御坂は竜也を守りたいと最強の防御魔法と回復魔法を――
俺はまだ決まっていない。なぜなら一度決めたら取り返しがつかないからだ。
王様にも少しの間能力の権は待ってもらってる。
そして現在は食事というわけである。が――
「まずい……」
隣を見ると一緒に来た3人も微妙な表情をしている。
日本の食卓になれたこの舌には全く合わない。
「なんだ、この変な辛さは? なんだこのしょっぱさは? どれも素材を殺しているし、お前らには調味料を使って味を調えたりする頭はないのか!?」
「何を言っている? 最高級の素材を使ったこの料理に文句があるのか?」
王様の横にいる側近らしき奴が文句を言っている。
だが、そんなの関係ねぇ。料理を馬鹿にするようなこの食べ物を許せない。
「文句しかねぇよ。最高級の素材を使った量だとしても、その食材が生かされてなきゃ意味はない!見てみろ、この3人だって気を使わせないように何も言わないが、絶対にまずいって思っている。それが表情に出ている。料理ってのは人を笑顔にするためのものであって、食べてもらう人に気を遣わせてる時点で失格だ。見ろ、王様は全くの無表情で食べている。普段から食べてるからまずいと感じていないかもしれないが、少なくともおいしいとは思っていない顔だ。料理を語るなら食べる者を笑顔にさせてから言いやがれ!」
怒りにまかせて文句を言っちまってるが問題ねぇ。
竜也が止めてるし、周りも驚愕に包まれているがそれさえ問題ねぇ。
「決めたぜ、俺の能力。おい、料理長はいるか?」
「は、はい」
「俺が本当の料理ってのを見せてやる。食料庫に連れて行け」
「わ、分かりました!」
料理長に連れられ食料庫に着く。
見た感じ食材自体は日本と変わらない。
おっ肉の種類が多いな。卵もあるじゃん。小麦に米もあるぞ。
これなら色々作れるな。
「さて、発動。《最高の調理場》」
これが俺の能力。
効果は調味料無限、食器も各種様々なものが無限にある。さすがに食器は外へ持ち出し、時間が経つと急激に脆くなるが、場所を問わずしてキッチンを作り出す。
さっそく料理を始めよう。
まずは鶏のもも肉を適当な大きさに切り、ボウルにしょうゆを中心にしたものに漬け、さらに同時進行でだしとなるものを造り出す。
次に各種の野菜を切り、フライパンに入れ、そのあとに肉、オリジナルのだしなどを加え、溶いた卵を入れる。
別で炊いてたご飯の上に乗せ完成だ。
さて、料理人や、王様、先ほど文句言ってた側近などに出す。
「うっ、うまい! なんだこの味は? 絶妙な柔らかさ、ほんのりとした甘さに、ピリッとくるこの食欲を引き立てるこの辛さ。どれもが絶妙な感じにマッチしている」
「おお、これは今まで食べてきたどれよりもうまい。今まで儂は何を食ってきたのじゃ」
「先ほどは済まない。確かにこの料理を食べて先ほどの料理がいかにダメかと分かった」
そのようにコメントを漏らすと勢いよく飯を口にかきこむ
そして、すべてを食べ、スプーンを下ろす。
「お粗末さまでした」
「なぁ、竜也殿。王都で飲食店を作らぬか? もちろんすべての金は私が持とう」
そうして異世界に庶民や貴族、勇者などが訪れる店。
荒川亭が誕生した。
「また来たのか?」
「まぁな。日本の飯が食えるのはここしかないし」
「竜也に会ってなかったら惚れてるかも」
「私はもう惚れ込んじゃった。この料理に。男性で好きなのはもちろん竜也だけどね」
勇者の三人の注文を聴き、厨房に戻る。
その途中で「御馳走さん。会計頼む」と言う声が上がる。
「お粗末さま」
ここまで読んでくれてお粗末さまでした。
なお、作者にはまともに料理した経験がありませんので、かなり省いた料理の方法が間違ったりしているかもしれません。
感想、評価などしてくれるとうれしいです。