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第7話 ………いや、僕だってとめようとしたんだよ?

夕方。


ママにおつかいを頼まれた


『コンビニ弁当を家族分。よろぴく-。ママン今夜はお仕事イテキマンモスラリアット』



 なんとまぁ手抜きだ。


 お仕事といっても、いつもの詐欺だろう。


 といっても、本当に悪霊がいたらそいつを祓い、法外な値段を請求する、という。


 『お祓いしてから何かが確かに変わったよ!』

という口コミと膨らみすぎた噂だけでのし上がった霊媒詐欺師だ


 実際に除霊や浄霊ができる本物の霊媒師なんだけど、根性が腐ってるからママの肩書きは詐欺師で充分だ。


 ‥‥‥僕が持つ霊感も、ママ譲りのものだと思うし


 パパはただの宇宙人のハーフだから、霊感もヘッタクレもないし、おばあちゃんにいたっては幽霊という概念そのものが理解できないそうな


「‥‥‥。早く帰ってダラダラしよう」


そのためにはまずはお弁当だね


コンビニ弁当は高いので、スーパーの惣菜コーナーに向かう


「あれ、澄海くん!」


と、ティモが現れた


「‥‥‥なに。」


「目が覚めたら居なくなってて探してたんだぁ」



 ほっとした笑みを見せるティモ。

 人猫になってから服を着たのかと、僕も少しほっとした

 人猫になっても普通の猫のように裸でいることがデフォなのかと少しだけ心配していたからね

 ちなみにオールしまむらファッション。

 マフラーとニット帽。猫耳の部分には穴があいていて普通に耳が出てるけど、ちょっと可愛いニット帽に見える


「‥‥‥僕はあの部屋に戻ったら全員が寝てて焦ったよ。‥‥‥だからごはんだけ食べて帰った」


「そっかぁ、もっと遊びたかったけど、ごめんなさい、寝ちゃってて」


 はにかみながら、申しわけなさそうに謝るティモ


 まぁ、猫だし寝るのは仕方ない


「‥‥‥探してたって、今までずっと?」


「ううん、ぼくたち、さっき起きたばっかりだから。」


「‥‥‥僕も書き置きでもしとけばよかったね。‥‥‥ごめん」


「あはは、澄海くんがあやまる事じゃないよ。かってに寝てたぼくたちの方がダンゼンわるいし!」


 一度謝れば二度は言わない。

 この話はここで終わった。

 ‥‥‥そういやティモは僕を探しに来たと言ってたな‥‥‥。それなら


「‥‥‥。‥‥‥タマやクロは?」


「おうちだよ。ぼくは澄海くんをさがすついでに、おゆうはんを買いにね。」


 猫に買い物をするって発想があることにかなり驚いた


 おっちゃんはもしかしたら人間としての必要最低限のことは猫たちの頭に最初に教えこんでいるのかもしれない

 麻雀は‥‥‥趣味だろうか


「あうぅ‥‥‥にいちゃんには玉ねぎとかはダメって言われてるんだった‥‥‥。どれになにが入ってるかなんてわからないし字が読めないよぅ‥‥‥。澄海くん、助けてぇ‥‥‥」


 そんな事で涙目で助けを求めるティモ。


「‥‥‥。」



 ため息を一つ。


「‥‥‥めんどい」


 僕の答えはそれだ。

 そんなくだらないことに時間は割きたくない

 時間は有り余っているけど、わざわざそんな事のために僕の時間を―――


「ぇぅっ‥‥‥」


 ‥‥‥‥‥。


 ‥‥‥ちっ


「‥‥‥はぁ。わかったから、手伝うから。‥‥‥そんな泣きそうな顔するな、ウザったい。」


「ホント!? 手伝ってくれるの!? やったあ!! ありがとう澄海くん!」


「‥‥‥今回だけだよ。だから抱きつくな、ウザいなぁもう」


 ティモの顔を掴んで引き離す


 弁当コーナーの弁当を見て回って、猫にとって危険物でないものを見定めてみる


 玉ねぎ以外に食べちゃいけない物がなんなのかは知らないけど、一応玉ねぎだけ除外する形で弁当を絞る

 猫って肉食だよね。草をかじってるところもよく見るけど。


「‥‥‥僕も今日初めて知ったけど、この『ペットに食べさせても大丈夫。○○弁当』シリーズが一番安全だと思うよ。‥‥‥意外と美味しいし。」


 お昼に食べたのと似たり寄ったりの弁当が並んでいた


 スーパーの弁当って、仕入れているんじゃなくて、厨房の人が作っているんだっけ。


 だからこういう自由な弁当ができるのか。ちょっと感心した


 作っている人は、ペットでも飼っているんだろうか


 ペットに食べさせても大丈夫シリーズにも、やはり本来は人間が食べるべき弁当であるらしく、揚げ物弁当には注意書きがしてあり『ねこちゃんにオニオンリング、イカリングはNG!』とわかりやすく書いてある


「わかった! じゃあコレとコレとコレ‥‥‥あとコレにする!」


 魚の塩焼き

 サイコロステーキモドキ(玉ねぎ抜き)

 おからハンバーグ

 スタミナ弁当


「‥‥‥。‥‥‥4つ? それにスタミナ弁当は大丈夫シリーズじゃ‥‥‥あぁ、なるほど」


「うん! にいちゃんの! ぶかつしてから帰ってくるんだって! ぼくたちのことでいつも大変なのに、すごいよね!」


「‥‥‥。」


 というより、言っちゃ悪いけどおっちゃんは見るからにただのアホなんだけど。


 それでも一応猫たちを育てられてるあたりは、まぁすごいかも


「‥‥‥おっちゃんは料理とかしないの?」


「並の男子高校生レベルだって、」


「‥‥‥。つまりほとんどできないってことだよね」


「節約するために意地で覚えるって言ってたよ」


「‥‥‥だったら、弁当買ったらおっちゃんを甘やかすことになるんじゃ」


「明日からやるって」


「‥‥‥。‥‥‥アホか。‥‥‥今日だけやらせろ」


「あ、アホじゃないもん! アホって言うほうがアホだもん!」


「‥‥‥。」


 年下の猫にアホ呼ばわりされてしまった。世も末だな


「‥‥‥そこまで甘やかすなら、ティモ。‥‥‥おまえが作ればいい。‥‥‥結局、家に帰り着くのはおまえらが一番早いんだろ。」


「っ!! そうだね! その手があったよ! そしたらにいちゃんは喜んでくれるかな!」


 タマの頭を抱き寄せたおっちゃんの今朝の姿を思い出す


 ‥‥‥。まず問題ないだろ

 まぁ、こいつらに料理なんかできるはずないけど。


 僕のママでさえしないし。


「よし! さっそく今日から」


 そういうとティモは、弁当の入ったかごを持ったまま店を飛び出した!



「まっ‥‥‥!」


 意味不明の言葉を反射的に出した僕はただその背中を見送るだけ。伸ばした左腕はむなしく空を掴む。


『ま、万引きだー!』


‥‥‥。まぁ、そらそうなるよね



 ―――ぽん



「‥‥‥。‥‥‥?」


 なんだか誰かに肩を叩かれた


「ぼく、ちょっと一緒に事務所まで来てもらえるかな?」


「‥‥‥。‥‥‥。‥‥‥は?」



                    ☆


基本的にメールの送信ボックスにある未送信メールをコピペする作業だからね。

ストックがある限り更新はできるだけ早くしますよ。

まだ完結はしてないけど。


PV数を確認して少しでも読んでる人がいると馬のように喜びます。

読んでくださってる方には頭が上がりません。

その読んだ勢いでお気に入り登録と評価をしていただけるとたぶん爆死するくらい喜びます。(期待のまなざし

うーん、ちょっとスカイくんについての補足説明しますね。

スカイくんはちょっとひねくれてますが悪い子ではありません。

かといっていい子でもないけど。

ひねくれてしまった原因は特にありませんが、強いて言うなら母親のせいですかね。次回ちらっと母親が出てきます。

スカイくんは壮絶な家庭環境で育てられたわけでもなく、実は結構お金持ちのボンボンなんですよ。単純に人づきあいが苦手なだけなんですね。

それではこの辺であとがきは終わらせていただきます。


個性的なスカイママに期待してていいと思います


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