表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/82

第56話 肝試し反省会


 肝試しをした翌日。


 おれっちたちは時輝ときめきの家に集まっていた


 りゆうは、なんとなく集まりやすいばしょだから。

 そして、なぜ集まっているのかというと、今回の肝試しの反省会をするためだ。

 時刻は13時。湿気が強く、気温も高くなってきた。

 夏の本番はこれからってことか


 クーラーをつけるというほどではないので、扇風機回すに留めている。


 ここにいるのは、今回肝試しを提案した、おれっちと時輝、リズムとタマの4人。


 いちおう、タマはさいしょは肝試しを否定していたが、肝試しを強行すると言うと、率先して班分けと企画を練ってくれたから、総隊長のようなポジションにいる


 澄海をおどろかすために企画したけど、結局はみんなであつまるならみんなで肝試しをしようということになって、そしたらタマが『だったらー、澄海くんに何周もしてもらおうよー。私達が泊まりに行くのはもう決定事項だからさー。これでみんなの嫉妬もちゃらってことでー。ね?』

 と、最後に片目を瞑ってみんなに説いたら、みんながOKしてくれた。

 今にして思うと、その不思議な班分けは、おそらくタマは夜の学校は危険がいっぱいだということを知っていて、澄海はそれに対抗できるちからがあることも知っていた。

 だからタマは、グループに必ず澄海を付けることによって澄海はおれっちたちを守ってくれるように、そういう風に班分けを決めたんだと思っている。


 結局、タマが危惧していたような状況になって、おれっちが澄海の秘密を知ってしまった。澄海はあのことを『あまり人に言わないでほしい』と言った。だから、誰にも言うつもりはない。


 最後に肝試しを強制終了させた後に、タマたちに何があったのかはわからない


 不安で不安でしかたなかった。


 おかげで、昨日は一睡もできなかったし。とりあえず、無事でよかった

 澄海はちゃんと病院に行ったんだろうか

 傷は見えなくなっていたけど、もしかしたらどこかを悪くしていたら事だ。


 企画したおれっちたちに責任がある。

 あとでちゃんと謝りに行った方がいいよな


「………ぁふ」


「タマちゃん、眠そうね。」


 扇風機の送風を顔で受けていたタマが、口に手を当てて上品にあくびをしていた。


「そーいう里澄ちゃんもねむそうだよー。目の下、隈ができてるよー。」


「それは………昨日あんなことがあったら、こわくて眠れないよ………なんか日がのぼってから、やっと安心してねむれたもん」


「そーだよねー。学校側から音とか聞こえなかったー?」


「音? とくに聞こえなかったけど………なんでそんなこと聞くの? もしかして、タマちゃんの出番の時に悲鳴でもあげちゃった?」


「んーん。なんでもなーい」


「そっか。あたしはめちゃくちゃ泣いちゃって、はずかしいよ」


 あの後、タマたちは盛大な音が出るようなことでもしていたのだろうか


「タマは今、澄海の家に泊まっているんだよな。ティモやクロは今どうしてるんだ?」


 時輝がタマに聞いた。眉間にしわが寄っている。そんなに気に食わないのかよ。

 いまおまえんちにいるのはタマとリズムだってことをわかってんのか?

 おれっちがお前を殴ってやろうか


「うーん、私達が澄海くんちにたどり着いたのが朝方だったからねー。みんな4時くらいに居間でぶっ倒れるように寝たからーまだ寝てるかもねー。」


「え………あ、そっか。タマちゃんは最後の班だったね。だからおそかったんだ」


「んー、まーそういうことかなー。」


「いや、それにしても遅すぎだろ。みんなは0時。遅くても1時らいには帰ってたはずだし。オレは理科準備室の人体模型で気絶したからよく覚えてないけど。」


「情けないねー男の子でしょー?」

「だらしないね。あたしは電話ボックスに閉じ込められたけど。」

(それはティモのラリアットで気絶してたはずなんだけどなぁ。まぁいっか)


「ぐ………と、とにかく! なんでそんなに遅かったんだ?」


 おれっちがさいごに見たのが、1時前。イスルギと名乗る人に澄海がボロボロにされて、いつの間にか回復して、そして、よくわからないうちに理科準備室から追い出された。


 キモンとか妖怪とか話してたから、それの退治だろうか


「んー。その情報は有料だよー?」


 でも、タマはそこで口を滑らすような人間ではなかった。


「またそれか………なんでそんなにお金を取ろうとするんだよ。」


「わかるでしょー? 私の家はお金がないんだよー。お金がないと服を買えない。お金がないとご飯を食べられない。お金がないと家に住めない。お金がないと学校にも行けない。世の中は大変だー。お金を稼いでくれる親がいるって幸せだねー。」


 タマが何かを言っていた。時々、タマはよくわからないことを言う。親がいるなら親がお金を稼いでくれるのは当たり前じゃないか。

 服だって買ってもらえるし、ゲームだってねだったら買ってくれる。

 どこの家もそういうものなんじゃないのか?


「まー、そんなことは今はどーでもいーんだけどー。今日は反省会をするんだよねー?」


 4人で持ち込んだお菓子を手に取りタマはみんなに『開けるよ?』と問うと、おれっちたちは頷く。

 誰かが開けないと、こういう時はだれもお菓子の袋を開けたりしない。

 タマはそれをわかって、自分が最初にしてくれる。


「私はねー。肝試しはみんなにはしてほしくないかなー。」


「ほぇ? にゃんで?」


 リズムがポッキーを口にくわえながらタマに返した


「だってー、幽霊とかこわいよねー。それは私よりもみんなの方がよくわかってるんじゃないかなー。」


「………何言ってんだよ」


 おれっちはタマの言葉に白々しさが見えた。

 そういう世界にいるくせに、なにを言っているんだ。


 おれっちの言葉ににんまりとタマは笑う


「んふふー、幽霊の『怖さ』は、みんなの方がわかっているはずだって言っているんだけどなー。」


「それは、自分は怖くないと言いたげじゃねぇか」


 時輝がそれにため息まじりに突っかかる


「実際、私はこわくないもーん。逆に聞こっかな。ティモちゃんとチームを組んでた時輝くん。肝試し中、ティモちゃんは怖がっていたかなー?」


 そう言われて、肝試しの最中を思い返す。真っ暗な廊下なのに鼻歌交じりだったな


「いや、怖がるどころか、たのしそうだった。」


 おれっちたちと手をつないでスキップしてたもんな


「うん、だろーねー。つまり私もクロちゃんもー、そーいうことなんだよー。」


 ………つまり、怖がることはないということか


「話を戻すけどー。みんなこっくりさんでわかったはずでしょー? 幽霊が怖いものだってさー。」


「それはわかってるけど………怖かったけど。あんな不思議な体験をしたことなんかなかったしな。」


 おれっちはこっくりさんの時、急に金縛りにあって動けなくなった。

 あれがあの時に言っていた『霊障』ってやつなんだろうな


「まー、そう思う気持ちもわからなくはないかなー。『一度あんな体験をしたからもう一度体験してみたい。』もしくはー、『もうあんなことは起きないだろう。』そんなことないよー。里澄ちゃんは電話ボックスに閉じ込められたんでしょー?」


「うん………こわかった」


「時輝くんにいたっては、気絶してるしー。」


「う………」


「ナナシ君に至っては名前ないしー」


「え? それ関係なくね!? おれっちの名前は―――」


―――ガチャ


「トキー。お友達にお茶を持ってきたから運んでちょうだい」


「あ、うん。わかった。」


 突然時輝のお母さんが入ってきたおかげで、おれっちの名前を言うタイミングが逃げた

 時輝のお母さんが持ってきたお茶をおれっちたちの前に置く。





「「「 ……………… 」」」





「お、おれっちのなま『ウ―――ウ―――ウ―――!』………あぁ………」





 たまたま近くを救急車が通りかかっておれっちの声をかき消した

 もうヤダ………このままおれっちは一生ナナシって呼ばれる運命なのかもしれない


「「「 あきらめろ 」」」


「………うん、その方がいいみたいだ。」


 時輝のお母さんが持って来てくれたお茶を一口すする。ハハッなんでだろう。しょっぱいや


「それで?」


 と、リズムがタマを促す


「うん。私はねー、やっぱりそういう危険なことにみんなが巻き込まれてほしくないんだよー。それはこっくりさんのときにみんなで巻き込まれてわかってるはずだよねー。」


「「「………」」」


 そうだ。教室に閉じ込められて、あの時はすごく怖かった。なのに、また同じことをしようとしていた。


「そんな難しい顔しないでいいよー。まー、もしそれでも、また肝試しをしたいってなったら私を頼ってよー。あまりしてほしくないってのが本音だけどー、一応私たち姉弟は霊感があるから、そのときはみんなに危険が向かないように全力で配慮するよー?」


 胸に手を当てて微笑むタマを見て、おれっちたちはほっと息を吐いた

 やっぱり、霊感があるのか。ということは、そういう秘密を共有している澄海も、霊感があるんだろうな。

 でも、そういうことを堂々と言っていいのか?


「やっぱり、優さんが言ってたことは本当だったんだね」


 リズムがタマに聞く。何のことだ? おれっちたちが肝試ししている間に、澄海のお姉さんとなにか話していたのかな


「あー、里澄ちゃんは知っちゃってたのかー。まぁいっかー。」


 なんかしらんけどいいのかよ。


「あ、そうだー。里澄ちゃんやー」


「ん? なに? タマちゃんやー」


「ドラムさんが出る番組ってー、今夜だっけー?」


 ドラム、とはリズムのお姉さんにあたる人で、ご当地アイドルをしているらしい。

 おれっちも、鹿児島放送のテレビでよく見かける。最近はCDも売れてきてるらしく、少しずつ忙しくなってきているとか

 リズムはそんなアイドルの妹。かなり顔が整っている。タマやクロ、ティモが来る前はクラスメイトでちやほやされいていたけど、リズムはそんなものを気にせず、気にせず活発に、いつも通りに学生生活をしているとは、図太い性格をしているよな



「うん、たしか今夜だったはず。それがどうかしたの?」


「うん♪ たしか肝試し企画だったからさー。」


「あ………廃病院の? それってたしか、タマちゃんたちも行ったって言ってなかったっけ?」


「そーなの。4月にあった授業参観の次の日なの。カメラにどう映ってるのか気になってねー。」


「え!? タマが出てるのか?」


 時輝が目を丸くした。おれっちも初耳だ


「もちろんだよー。たまたま侵入したんだけどー、霊感があるって言ったら、スタッフが私たちを迎え入れてくれてねー。」


「侵入って………とんでもないことをするなぁ、お前ら。でもそんなことを言っていいのかよ。」


 おれっちもため息をつきつつタマに突っ込みを入れる

 スタッフもよくそれを許したな。


「まー、どうせ地方のローカル番組だからねー。放送するのも地元だけだからあんがい緩いもんだよー」


 そうなのか。よくしらないけどそういうものなのかもしれない

 あと、よく知らないけど霊感があるとかあまり言っていいことなのかな。

 それに、とタマは続けた


「みんなも、今日は心霊特集をするってわかってるんでしょー?」


「ああ、オレもこっくりさんの後からオカルトに興味を持ったからな」


「おれっちも同感だ。心霊特集は録画予約もばっちりだ。」


 おそらく、クラスメイトみんなが同じような感じだろう


「ねー? 隠しても無駄だよねー。だから私は霊感があるってここで言いふらしてるんだよー。」


 ああ、どうせばれるなら、関係ないってことか。それに、おれっちは澄海やタマたちが何かをしようとしているところを目撃しているわけだし

 リズムも優さんからなにかを聞いてるらしい。


 どこからうわさが広がるかわからない以上、隠しても無駄だと言ってるのか


 タマは話しは終わったとばかりに、リズムの鼻にポッキーを入れようとし始めた

 鼻に突き刺す寸前に、リズムは首を逸らして避けると、ポッキーは空を突き刺した。


「ど、動作が自然すぎて油断したぁ! タマちゃんなにするの!?」


「いーやー、かわいい顔って崩したくなるよね~。」


 なんてことを言いながらそのポッキーを食べ始める。

 それ以上の話をさせないための行動だったのか


 会話をゆうどうするのがうまい奴だ。


 ここらでおれっちもその話題転換に乗っておくか


「そういや、来週から水泳の授業が始まるな」


 ふと来週の時間割を思い出したのでそれを話に出してみた


「すいえい~?」


 タマが首を傾げた。珍しいこともあるもんだな


「すいえいってなんだっけー?」


 言葉を初めて聞いたのか、タマは眉根を寄せる


「タマが前いた学校では水泳はなかったのか?」


「ん~、ないねー。なにをするのー?」


「えっと、学校の端にプールがあるよな」


「うん、あるねー。あの水がいっぱいたまってるやつだよねー。先週6年生が掃除してたやつー?」


「そそ! そこで、水着で泳ぐんだよ。」


「泳ぐのー? 水の中をー? なんでー?」


「なんでって言われると………なんでなんだろうな。時輝、なんでだ?」


「オレに聞くなよ、暑いからじゃないか?」


「あー、夏だからな。」


 タマは納得がいかないようだ


(あそこの水溜、火災消火用の水だとばかり思っていたけど、泳ぐための物だったのかー………。わからなかったなー。ティモちゃんなんか船幽霊を召喚するための儀式場かなにかだと勘違いしてるし、私も最初はそうかと思ったもんなー。でも、そんなことよりもー)



「あのねー、いーことを教えてあげるよー。」


「「「 ん? 」」」


 いきなりのセリフに面食らう


 なんなんだ、いったい? おれっちたちはタマの顔を見つめると、タマは衝撃的な一言をおれっちたちに告げた


















「人間は水に浮かないんだよー!」








((( あ、タマはカナヅチなんだ )))





あとがき


 はぁーいえぶりわん


 ぐんもーにん


 はうどぅーゆーどぅ


 あいむしっぴつなう


 しーゆー。



 っておい!


 シーユーすんじゃねぇよ。社会の窓からこんにちわ。作者です


 前回あとがきで暴走しました。一応これでも反省してます

 まぁ、結論。いつかは乗せたい。

 それに落ち着きました。気が向いて添削したらってことになりますけど。


 むしろこの話はどうでもいい話の方に書いとけってね



 はい、本題です。


 ちょっと時間を空けてプロットを練ります



 その名も『海編』もしくは『水泳編』として。


 水着だよ水着。ポロリは無かったら作ればいいんだよ。作者だもの。


 いっえーーーい!

 テンション高い? そりゃ高いよー!


 次回、超々かわいいイラストを乗っけます。 

 


 だれかなだれかな?



 言っていい? 言っちゃうよ?



 クロちゃん単体でのイラストでーす。



 下書きは活動報告に貼っておきました。

 直接画像を貼ろうと努力しましたがむりでした。自力でリンクしてください♡



 完成品だけが見たいのであれば、それは本編だけのお楽しみということでおk



 感想やイラストは随時メールアドレスにて受け付けております


tassaso123*yahoo.co.jp


ついった


@tassaso1



   ☆ここから割とどうでもいい話★



 海編の構図をイラストさんに描いていただこうと相談しました



フユルギ

『イスルギさんとパパさんの水着を描いたらいいんだな!hshs』


『鼻息荒いっす。というかメイン小学生っすよ。大人ばっかり描いたって………あ、やっぱり描いてください。僕もあのあごひげは好きです。』



フユルギ

『パパさん同士が上半身裸でやっべぇオラァ興奮してきた。コピック買ってくる』


『僕の小説にそこまでの価値はないですよ!?』


フユルギ

『馬鹿野郎! 俺が書きたいんだ!』



 なぜか怒られました。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ