Improvement03『HCL』
―西暦2999年
この時代では『環境問題』が深刻になっていた。
そんな折、『ワールドリメーク』という地球外生命体が地球に襲来した。
彼らの目的は地球を汚し、彼らの住みやすい星にすること。
そのため、『害獣』という怪物を生み出し、地球侵略を企んでいるのだ。
そんな彼らに立ち向かう3人の少年がいた。
人々は彼らを『自然戦士ネイチャーマン』と呼んだ。
現場に着くと、そこでは…サンエが暴れていた。
「って、またお前かよ!!」
「む。それはこっちのセリフだ」
「まぁ、そんな事はどうでもいい。行くぞっ」
大翔は他の面子の方を向く。他の面子たちは皆真剣な顔をしている。
「樹、大和。変身の仕方分かるか?」
「分かる訳ないだろww」
樹が返事をする。大和の方は黙ってうなずいている。
「自分の好きな番号+変身のマークだぜぃ♪」
「おk」
樹は#4大和は#5で、それぞれ変身した。
「うっしゃ!俺らもいくぞ!!」
すかさず、古参面子も変身。
「何だぁ?今日は黒と緑が増えて、青がいないのか」
なるほど、サンエの言うとおり、青=鈴木蓮がいない。
「あ、あれ??蓮??」
いなくても言われるまで気づかない蓮の存在って一体…
「まずい!!」
一方SOS日本支部局、東山動物園ではジョシュがしまった、という顔をしている。
「どうした、ジョシュ?」
「い。いや。ワープマシンですがまだテストをしていなかったので…
まぁ、鈴木さんだからいいですよね」
「鈴木じゃからええじゃろ」
もう一度言おう。鈴木の存在って一体…
その頃、蓮はどこぞの海にいた。
「どこだよ、ここ!!」
真冬の海にいきなり突き出された蓮は溺れかかっていた。
そして、そんな事が起こっているとも知らず、他面子は呑気に戦闘を…
呑気ではないかもしれないが戦闘を行っていた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
レッドがサンエに殴りかかる。
「ふっ!効くかぁ!!」
サンエは何故か堂々と構えた。
ネイチャーマンのスーツに塩酸は効かないはずなのに…
ドカッ!!
鈍い音が響いた。
「はっ!雑魚いな…!?」
「それは…こっちの台詞だぁぁぁ!!!」
シュゥゥゥゥゥゥ
どこからともなく、何かが溶けるような、音がした。嫌な予感がする。
「!?」
レッドが手を見ると、溶けないはずのネイチャースーツが、溶けていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
レッドが驚愕のあまり奇声を発する。辺りに、叫び声が響く。
「何故だ!何故っ!!手が…手がぁぁぁ」
状況が把握できないあまり某ジブリ作品のム〇カのような叫びを発する。
「フッ。教えてやろう。俺が貴様らに負けた後、
デストロ様の手により、強化復活を遂げたのだっ!!」
「デストロ?」
「貴様らの知ることではない。さぁ、次は貴様だあっ!!!」
サンエはイエローに向かい、塩酸を吹きかける。
「ぬおっ!?」
瞬間、イエローはブラックを盾に、攻撃を防いだ。
「!?yしvbylwyヴぃq!!!」
ブラックはあまりに突然の出来事に凄まじい叫びをあげた。
シュゥゥゥゥゥゥ
先程の音が、辺りに響いた。
「フッ。強化復活を遂げた俺に、勝てる者などいないわ!!!」
はっはっはっはっはっ、とサンエは高らかに笑う。
しかし!!
「あれ?」
ブラックは生きている。それどころか、スーツのどこも、溶けていない。
「なっ…」
と、その瞬間ハカセからの通信が入った。
「はっはっはっはっはっ、残念だったな!害獣サンエ!!」
「何だ、ハゲジジイ!!」
「はっ、はげっ…ハゲとるかは通話だけ分かる訳ないじゃろ!!!」
「ハカセ…害獣と漫才やらないでください…」
ハカセの通話が入ったネイチャーフォンを持ったレッドが制止する。
「すまんすまん。では、解説しよう!
ネイチャーブラック、グリーンのスーツは後から開発したものじゃから、素材が違う。
つまり、その強化された塩酸にも耐えれるんじゃっ!!!」
「なっ、何ィ!?!?!?」
サンエは少々大げさなリアクションを見せる。
「今のうちじゃ、やれぇ!ブラック!グリーン!!」
「やべぇ、何かハカセかっこいい…」
大翔がボソッと呟いた。
人間不思議なもので、こういう状況になると
今にも寿命を迎えそうなジジイでも、カッコよく思える者なのだ。
「ホォォォォォワチャァァァァァァァァァァ!!! 」
ブラックは似非中国拳法のような構えを見せ、走っていった。
「ワチャッ!ワチャッ!ワチャァァァッ!!!」
次々と、滅茶苦茶な攻撃を仕掛けるブラック。
それでも、唯一の武器、塩酸が使えなくなったサンエよりは強い。
「ぐふぉっ! ぐふぉっ! ぐふぉぉぉっ!!!」
完全にブラックがおしている。
レッドとイエローは見守ることしかできない。
一方、ブラック同様戦う事が出来るはずのグリーンは、静かに戦況を見守っていた。
「ワチャッ!」
ブラックが華麗な回し蹴りを決める。
「ぐはぁっ!!」
クリーンヒット。
それでも更に攻撃を続けていくブラック。
似非中国拳法も、この状況ではカッコよく見えてしまうのが不思議だ。
「さて…そろそろ〆るか」
ブラックはカッコつけてセリフを言うと、例の必殺技のコードを押した。
「FAINAL」
いつもの電子音が鳴り響く。
「何でやり方知ってんだよ!!!」
レッド、イエローが素早くつっこむ。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そんな事は完全に無視で、ブラックがサンエに駆け寄る。
「FAINAL」
後ろで電子音が響く。
何と、グリーンもまたサンエ向かって駆けてきていた。
ドン!
ブラックがグリーンに突き飛ばされる。醜い仲間割れだ。
「グリーン・ユニゾンキック!!!」
いつも冷静なグリーンから大声が発せられ、サンエに強烈なキックが浴びせられる。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」
お決まりの台詞とともに、サンエは散った。
「いいトコ全部とられたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ブラックが悲痛な叫びをあげる。
その数分後、戦いを終えた4人と作者すら忘れていた1人は東山にいた。
「どこ行ってたんだよ蓮~」
バシッ
軽快に駆け寄る颯太に蓮の平手打ちが炸裂する。
「ぐふぁあっ」
「いやぁ、すいません。ワープマシンまだテストしてなかったもので…」
ジョシュがペコペコと頭を下げる。それを見て蓮も気が済んだようだ。
「それにしても、いい戦いぶりじゃった!天晴れ!!」
ハカセはいつ仕入れてきたのか、『天晴れ』とかかれた扇子を開いている。
「ハカセ、俺らのスーツも強化して下さいよ…」
「そうじゃな。引き受けた!」
そのころ、とある無人島にはカオスとデストロがいた。当たり前だが。
「くっ。忌々しいカラフルsめ」
カオスが呟く。
「と、言いますと?」
「決まっているだろ。ネイチャーマンだ、ネイチャーマン!!」
カオスは、ネイチャーマンの事を勝手に『カラフルs』などと名付けていた。
まさにカオスなネーミングである。
「お任せ下さい。現在、例のアレを研究中です」
「おお。アレか…なら期待できそうだな。
見ていろネイチャーマン。次の刺客が貴様たちを踏みつぶしてくれる!!」
次の刺客とは…踏みつぶすとは…
珍しく次回予告風に終わってみる。
To Be Conted
第3話完ッ!
今回は前回・前々回に比べて少々短かったですね。
本当は例のアレも今回やるつもりだったんですが...
まぁ、それをやると長くなるので終了。
例のアレとは何か、次回をお楽しみに☆