―プロローグ:神と抗うものの発端―
ある世界のある場所、様々な世界を創り上げ神を生み出し世界を管理する存在。<一なる神>がいた。彼なのか、彼女なのかすらわからない<一なる神>と呼ばれたその存在は無意味に様々な世界を創り上げていく。そして世界に寿命が訪れるとその世界は<書物>となり<一なる神>が生み出した<一なる神>自身が管理する世界<エデン>最大の記録の保存地である<大図書館>へと収容される。
だが<大図書館>を実際に管理しているのは<一なる神>ではない。<一なる神>が生み出したエデンに住まう神<ストーリーテラー>である。細身の長身と青紫色の髪、左右で色の違う翼が特徴の男神で、その性格はとても気まぐれなものだった。記録された<書物>の中の物語を管理していた彼は創られたばかりの頃は真面目だった。全ての<書物>に目を通し、<書物>に不備が無いかを確認し<書物>を収容していた。
しかしこのサイクルはある日終わりを告げる。変わることの無い日常を送ることに飽いた<ストーリーテラー>は<書物>に<悪意>を投げる。<悪意>を投げられた<書物>は物語が改竄され平和な物語達は全て悲惨な結末になるよう仕向けられた。
<書物>から響き渡る悲鳴、怒声、嘆き、祈り―様々な負の感情が<書物>から広がり<大図書館>全体に鳴り響くようになった。それを楽しむ<ストーリーテラー>の存在を知った五つの<書物>の住民たちは<ストーリーテラー>へ叫ぶ。
「お前の身勝手な悪行もここまでだ!我らはお前が振りまいた<悪意>を殲滅し、全ての<書物>を再び元の平和な物語に戻す!」
これを聞いた<ストーリーテラー>は笑い、宣言した<書物>の住民に言葉を返す。
「では、私が与えた<悪意>の根源たる存在をお前達が決められた期限とルールのもとで打ち倒すことが出来た時、全ての<書物>の<悪意>を消し去ってやる」
身勝手な一人の神と神に抗うもの達の物語が、始まる。
今回はプロローグですので短めです。
本編は長々書いちゃうと思いますが頑張っていきたいです。
しかし…文章をまともに打つのが久しぶり過ぎて感覚を忘れているorz
短編小説でちょっとずつリハビリ必要かな…