恋
あいside
桜高等学校の門をくぐると、一本の大きな木に見事に桜が満開に咲いていた。
シンボルといえるその大きな桜の木は、真新しい制服をきた新一年生を見守っている。
そう、今日は入学式。
「あーいー!おっはよぉ!!」
突然後ろから呼ばれて振り向いてみると、そこには一人の女の子。
茶髪で背が低くて、目がパッチリの可愛い子。彼女の名前は奈美。
「おっはよー!」
いつも通りのあいさつをすると、二人で教室に向かった。
「そーいえばさ、あい・・・。探してた人いた?」
奈美があたしにきいた。
「見てない」
そっけなく返すと奈美は、気をつかってくれたのかどこかに行った。
彼女はいいひとだ・・・。
ふと、あの人のことを思い出す。
「もう一回あいたいよ。せめて、もう一回・・・。」
5年前
「前から好きだったんです。付き合ってください。」
あたしの前で顔を真っ赤にして言っている人。
むちゃくちゃモテル人。 顔もいいしスポーツもできて勉強もすごい。
学年の中には好きっていう子も多いくらい。
その人があたしに告白している。
びっくりして、何も言えない・・・。
「だめ・・・ですか?」
ど、どうしよう。 もちろんokなんだけど、でも・・・・。
勇気を振り絞っていうんだ!あたし!
「でも・・・。あたし・・・その・・・。」
あー、どうしよう言えない。でも言わなくちゃいけないんだ。 この事実を受け止めてくれるのか。
「あたし・・・。病気なんです。」
「うん。しってます」
・・・言えた。 でも知ってるって・・・。
「どうして知ってるの?」
「噂・・・。 でも俺はそんなことでおまえを見捨てたりしないから!」
うわさ・・・?そっか噂か・・・。 あたしはこの人、悠がいってくれた「見捨てたりしない」この言葉が嬉しかった。
そうして私は悠にokを出してめでたく付き合うことになった。