表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

塩風の女

目が覚めた。辺りは一麺の乳白色。黄金の縮れた草むらは、食欲をそそる塩の香りに満ちていた。


 横には、見慣れた青と白のパッケージ。ジィっと見つめると、彼女の蓋から熱い湯気が溢れた。ほんのりと香る塩の匂いに、私は堪らなく興奮した。たった3分の待ち時間すらもどかしく、彼女の蓋に手を伸ばす。心なしか、「カップヌードル」のロゴもニコリと笑みを浮かべているように見えた。


 蓋を開けると、勢い良くスープが溢れる。あっさり塩分控えめな彼女のスープと、私の濃い食欲とが混ざり、絡み合う。あまりの美味しさに、堪えきれずゴクゴクと音を立ててスープを飲むと、彼女が恥ずかしそうにカニカマの付いた麺を差し出す。


 私はそれを啜り上げるたび、自分が生きていると実感するのだ。いつもの流れ、いつもの味、変わらない幸せ。それが此処には確かにあった。


 明日もきっと、私は彼女のために湯を沸かすだろう。彼女の名前は、みっちゃん。製造日3月26日、私の愛しいカップメンで、裏切り者のシーフードだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ