断絶に針と糸
掲載日:2026/03/01
お裁縫苦手です。
断絶を修復しようと縫いあわせるには
針と糸が必要で そのどちらも欠けては叶わない
糸をとおすための穴を穿つするどい先端を以て
あいてに痛みを与えることを承知でなお
貫いてみせる意思と覚悟を備えた針と
双方に痛みがあるからこそ互いを結びつける
そこがまさに糸口になるのだと
穿たれた穴へともぐりこみ
その身をめぐらせる糸と
そのふたつのはたらきが常に求められるのだ
穴を穿垂れた痛みと それにつけこむような
こんなやりかたを 針と糸だって
えらびたくはなかったのかもしれない
断絶を埋め立てて
つなぎあわせてしまえるような「体積」なんて
貫くだけの「点」である針や
結ぶだけの「線」である糸
「面」でさえないそのふたつには持ち得ないものだから
しかたのないはなしか
おれたちだって好き好んで
こんなやりかたをえらんだわけじゃないぜって
あいつらも苦いつらを見せるだろうさ
刺繍とか、やってみたくないこともない。




