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仮面

湊の耳に入っていたのだがこの話の内容は特に気になってはいなかった。


(巷で噂になるぐらいやっぱりうまいな。今度楓と蓮を連れてこよう)


湊の食事が終わりそうに近づいていた時『武器屋』のところで騒ぎ立てる男がいた。


「いいから俺様に合う武器を作りやがれ!」


「申し訳ないのですが審査に合格された方に武器を

作製しております。それにお客様が持ち込んだ素材では武器を作製するのに不足しています」


「B級ハンターの俺様が言ってんだぞ!」


「それが当店の規則なので...もしご納得いかないのであればお引き取り下さい。それからお言葉ですがお客様では当店の武器を使うには身分不相応かと」


男は左手で店員の胸ぐらを掴み右手で店員の頬をポン、ポンと叩きながら言葉を発していた。


「何「非覚醒者〔ノープレイヤー〕の分際がほざいてんだ。痛い目に遭いたくなかったら今すぐ『鍛治師』に作るよう伝えろ」


一部始終を見ていた先輩、後輩ハンターが話をしていて先輩ハンターはこの出来事を冷静に見ていた。


「先輩、あの子まずくないですか?」


「お前のピッツァ一切れも〜らい。うまい。お前も食ってみな飛ぶぞ!」


「こんな時に何呑気なこと言ってんすか!今すぐ協会に連絡しないとあの子大変なことになっちゃいますよ!」


「すぐに方づくから問題ねぇよ!何でそんなに慌ててるかと思ったらお前はこの店に来るのは初めてだったな。どうして此処が聖域と呼ばれてるか知ってるか?」


「いえ...」


「この店に三つの掟があるのは知っているな?」


「はい。一つが危害を加えようする行為、二つが財産を奪おうとする行為、三つが秩序を乱す行為を禁ずるですよね?」


「それを聞いた荒くれ者達が素直に従うと思うか?」


「言われてみれば...」


「以前、掟を破ったハンターがいてそいつは掟を守らなかったこととして「夢幻〔この店〕」の大将にお灸を据えられた。その報復として後日そいつは仲間を連れて大将がいない時に店を壊し回った。このことに

大将は深く激怒してこれに関わった奴らを全員半殺しにしたんだ。これをきっかけにこの場所が『聖域』と言われる所以になったんだ」


先輩ハンターが後輩ハンターに説明しているところをド激渋老人が通り過ぎB級ハンターと店員が揉めているところに歩み進めていた。


先輩ハンターは老人に指を指していた。


「ちなみに言っとおくと今通った爺さんが「夢幻〔この店〕」の大将だぞ!」


店員はこの状況をどうすればいいのか困っていた時

大将の姿が目に入り安堵していた。


「大将...」


「何やら騒がしいと思ったら...小童今すぐ出ていけば今回のことは見過ごしてやる。そのほうがお主の為になるじゃろう」


この提案を聞き入れることはしないどころか大将の

あたかも自分の方が上だという振る舞いがB級ハンターの癪に障っていた。


「おいおい、何だ爺さんいきなり入ってきてこの俺様に指図してんのか!言葉には気をつけろ爺さんじゃないと今すぐ屍になるぞ!それに俺様はただ武器を作ってもらいたいだけなんだよ」


「ハァ分からぬようじゃからはっきり言ってやろうぞ。お主じゃ「夢幻〔この店〕」の武器を使うには値してないと言っておるんじゃ。精神と肉体を鍛え直して出直してくることじゃ」


B級ハンターは顔から火がでるぐらいの表情になりながら老人にガンを飛ばしていた。


「さっきから俺様のことを下に見たような扱いしやがって!俺様が今すぐ屍にしてやろうか!老い先短い人生がこんなところで仕舞いになるなんて不憫だな!」


B級ハンターは嘲笑いながら「収納倉庫〔インベントリ〕」から武器を取り出して大将の顔に向けていた。


さっきまで落ち着いた表情をしていた大将が武器を

向けられた途端に精悍な顔になっていた。


「おい童、五秒やるからその武器をしまったほうがよいぞ。それともそれが脅しの道具ではないということを心得てるんじゃろうな!」


B級ハンターは大将の警告をよそにその武器で大将に

斬りかかろうとしていた。


「何言ってんのか分かんねぇな!」


それはあまりにも一瞬のことだった!


それ故、その場にいた者達は何が起きたのかさっぱり分からない様子であり気がついた時には、B級ハンターが壁を突き破るぐらい後ろに吹き飛んで意識を失って倒れていたというだけだった。


ドカン!


大将が「能力〔スキル〕」を使ったという訳ではなく

B級ハンターが斬りかかろうとした瞬間、それよりも目に見えないほどの速さで大将が強烈な威力でB級ハンターを蹴り飛ばしていただけであった。


それは、壁を突き破るぐらいの威力であった為B級ハンターには到底耐えることができる訳がなかった。


その場にいたハンターは酒を前後に揺らしながら何かを口ずさみながら盛り上がり指笛をする奴もいた。


大概酒場には酔っ払っているハンターが多くいるしこういうお祭りみたいなのをみたら騒ぐにはいられなかったからであろう。


ヒュー!ヒュー!


ガラチェマット!ヘルケッポ!ロストミッケ!


後輩ハンターはこのことにとても驚いていた。


「あの人は何者なんですか?」


先輩ハンターは一切れと言っていたが美味すぎるあまりもう一切れを取ってそれを口に運びながら答えていた。


「さぁな、名前、年齢など全てのことが不詳なんだ。ただ、あの強さから元高ランクのハンターだったん

じゃないかと言われている。だからここであの人に逆らうとする奴なんていやしない」


その当の本人は突き破れた壁を見て怒っていた。


「あの童!壁をこんなふうにしよって許せん!」


(それは貴方のせいなんじゃ...)


この光景を目の当たりにした湊はその強さを知りたいと思い大将の元まで歩いていた。


「どうしたら貴方みたいに強くなれますか?」


「ワシに一発でも当てることができたなら教えてやろうぞ!」


湊が攻撃しようとした時には遅くもう大将の一方的な猛攻撃が始まっていた。


その威力、速さはさっきより凄まじいものではなかったが湊と大将には圧倒的な力の差があったので湊が

大将に一発入れるのは不可能に近かった。


湊は防御態勢をとれる訳がなく大将の攻撃を

全てまともに食らっていた。


それでも、湊の意識は失ってはいなかった!


昔の湊ならすぐに倒れてしまっていたが肉体改造しておいたお陰でどうにか耐えることができていた。


大将の猛攻撃が終わると湊は立っているのもやっとの状態だった。


それを見た昼間から酒を飲み酔っ払っているハンターが湊のことを蔑んでいた。


「どうした兄ちゃん!もう終わりなのか?終わりなら中途半端じゃなくて派手にやられてくれよ!ぎゃはははは」


その笑い声と同時にその場にいた者達も笑っていた。


このことに大将は激怒していた。


「これは主らをを楽しませる余興ではないぞ!それともこの場にいる全員でワシに挑んで来るか?出来ぬのならこの者を笑うことはワシが許さん!」


殺気あるいは「MP〔魔力〕」覇気とでも言うのかこの威圧的な物をその場にいた者達は浴びることになった。


あんなに騒がしかったのが嘘みたいに静まり帰って酔っていたハンターも酔いが覚めていた様だった。


嘲笑の言葉は応援の言葉に変わっていた。


「頑張れ兄ちゃん!負けるな!」


大将は穏やかな表情に戻ったが心の内ではがっかりしていた。


(この者からは何か感じるものがあったと思ったが

ワシの見当違いだったようじゃな)















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